トヨタ「水素エンジン車」初試乗! ガソリン車同等の「可能性」を秘めた実力とは
2021年9月18日・19日に「スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 第5戦 SUZUKA S耐」が開催されました。現在、水素エンジンを搭載する「カローラ」で参戦していますが、今回は、それとは別に開発を進めているテストカー「GRヤリス」にメディア初試乗した様子を紹介します。
水素エンジン搭載の「GRヤリス」 その可能性はいかに
トヨタは、カーボンニュートラルを実現させるために「マルチソリューション」を掲げ、そのひとつとして「水素技術を活用して内燃機関の可能性を探る」という挑戦をおこなっています。
その挑戦として、レースの現場に水素エンジン搭載の「カローラ」を実践投入していますが、スーパー耐久への参戦は3戦目を迎えます。
今回、水素エンジンを搭載するテストカー「GRヤリス」をメディアとして世界初試乗した様子を紹介します。
今回は、クルマの総合力が問われる三重県の鈴鹿サーキットでの5時間耐久レースになります。
前回(オートポリス)から約1か月半、エンジニアはアジャイルかつスピーディにアップデートをおこなってきました。
その結果、鈴鹿に持ち込まれた水素エンジンの実力は、ガソリン車並み(=272ps/370Nm)まで引き上げられたといいます。
一方で、2021年9月18日、ちょうど予選がスタートした頃に広報スタッフに「(鈴鹿サーキット)交通教育センターに来てくれませんか?」というお声掛けが。
別室で個別インタビューでもするのだろうと向かうと、そこには2台の「GRヤリス(左ハンドル)」がありました。
ただ、良く見ると、車高はやや低く、さらにはリアウインドウには黒いパネルが装着と、ノーマルではないのは間違いないのですが、一体これは何物なのでしょうか。
するとエンジニアが一言、「今回、水素エンジンの試乗をしていただきます」と。実は前回のオートポリスで「乗ってもらうのが一番解りやすい」という話から「どこかのタイミングで乗せてください!!」とお願いをしていましたが、まさかこんなに早いタイミングで実現するとは思わず、こんな所からも今のトヨタのスピード感が解るでしょう。
この2台のGRヤリスは水素エンジンのテストカーで、このクルマで開発されたアイテムがカローラへと水平展開され実戦投入されています。余談ですが1台はナンバー取得済みで公道走行も可能だそうです。
まずは見た目の違いをチェックです。エンジンルームはガソリンエンジン(G16E-GTS)と比べて間違い探しレベル。変更されているのは水素エンジン用のインジェクター/プラグ/燃料配管くらいです。
インテリアはセンターモニターにタンク内圧力は航続距離といった表示の追加。
さらにカローラのレーシングカーと同じく前席と後席の間にカーボン製の隔壁を装着しており、完全な2シーター仕様(リクライニングの隙間もなし)となっています。
ノーマルでは後席があった場所に水素タンク(1kg×2)が搭載されおり、サイド/リアウインドウはブラックのパネルに交換されています。
ちなみに給水素口はガソリン車の燃料給油口と同じ位置に装着されています。
ちなみにナンバー付車両は外の水素ステーションで給水素をおこなうこともあるそうですが、事前に連絡しておかないと「お客さん、それは燃料違うよ」と断られてしまうことも。
そんなトヨタの水素エンジンですが、メディア試乗は世界初となります。
ちなみに筆者はGRヤリスのリアルオーナーですので、ガソリン車との違いをチェックするにはピッタリな人材といえます。
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