トヨタ新型SUV「カローラクロス」登場! 人気沸騰で「本家超え」の可能性も!?「普通さ」も武器に売れ行き好調となるか?
新型カローラクロスは現行カローラの「本命モデル」か!?
居住性はカローラクロスのウリのひとつです。
ただ、ひとつ心配なのはセダン/ツーリング/スポーツと共通のホイールベース(2640mm)であることです。上記のモデルの後席足元周りのスペースは狭くはないが広くもない……という印象だったので、カローラクロスはどうなのか。
まだ実車を見ていないので何ともいえませんが、開発陣に聞くとこのように教えてくれました。
「ヒールtoヒップポイントを275mmから330mmにアップ」→「よりアップライトに座る」→「同じポジションなら前席のシートスライドは前の位置になる」→「後席の足元スペースは広く使える」……と。
それに加えて、日本仕様専用アイテムであるパノラマルーフの採用に視覚的な開放感やリクライニング機構の採用などもプラスに働くはずです。
ラゲッジ容量は5人乗車でクラストップレベルの487リッターが確保されており、後席を倒せばロードバイクも搭載も可能なスペースを実現。さらにオプション設定にはなりますがハンズフリーパワーバックドアの設定もポイントでしょう。
パワートレインはガソリンがバルブマチックを採用する1.8リッター自然吸気、ハイブリッドが1.8リッター+モーターの2タイプを設定。
ハードはセダン/ツーリング/スポーツと共通ですが、重量増に合わせた制御の最適化に加えて、タイヤの外径アップに合わせてローギアード化がおこなわれています。
駆動方式はガソリンがFFのみ、ハイブリッドがFFと電動4WD「E-Four」が選択可能です。この辺りは「アーバン・アクティブ」のコンセプトに準じているのでしょう。
ちなみに北米仕様にはよりパワフルな2リッター自然吸気(ダイナミックフォースエンジン)が搭載されていますが、今後「カローラツーリング2000リミテッド」のような限定車、もしくは派生モデル(GRスポーツ!?)として追加される可能性も否定できません。
プラットフォームはセダン/ツーリング/スポーツと同じTNGA「GA-C」を水平展開していますが、リアサスペンションは日本向けGA-Cモデル初のトーションビーム式(E-Fourはダブルウィッシュボーン)が採用されています。
この選択はユーティリティ確保(ラゲッジルームへのでっぱりが少ない)とアフォーダブルな価格で提供するためだといいます。
トーションビーム式は接地性/ハーシュネスなどに課題もありますが、開発陣の言葉を借りると「気持ちいのいい乗り心地」を実現すべく、大型ゴムブッシュの採用や専用のサスペンションセットがおこなわれているそうです。
タイヤは普及グレードが215/60R17、上級グレードが225/50R18を設定されていますが、18インチにはミシュラン・プライマシー4が採用されています。
開発陣は「常用域にこだわった」と語っていますが、このタイヤを履かせる基本素性を持つ……ということはハンドリングを含めた総合性能もかなり期待できそうな予感です。
安全・運転支援デバイスはセダン/ツーリング/スポーツと共通となる第2世代トヨタ・セーフティ・センス(TSS)を全車に標準装備。
さらにパーキングブレーキサポートブレーキ/バックガイドモニター、プリウスから採用のペダル踏み間違い時の急加速を抑制するプラスサポートなども設定されています。
価格(消費税込)は199万9000円から319万9000円と幅広い設定ですが、売れ線となると予想される中間の「S」グレードは、ガソリン車が240万円、ハイブリッドが275万円(FFの場合)と同クラスで同装備のライバルに対してかなり戦略的なプライスも強みでしょう。
月販基準台数は4400台と控えめですが、“本家”を超える人気を獲得しそうです。
カローラシリーズの派生モデルといいながらも、現在の流れからすると、実はカローラクロスが12代目の“本命”なのかもしれません。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。