ハイブリッド車の「キーン音」なぜ鳴る? 静かな接近は危険? 安全対策とは
行政とメーカーが取り組む、静粛性が高い電動車の対策とは
国土交通省は2016年に電動車に対し、歩行者などに接近を音で知らせる「車両接近通報装置」を装着することを義務づけています。
新型車の場合、2018年3月8日から、継続生産車の場合、2022年10月8日からの対応が必要です。
車両接近警報装置は、エンジンルーム内に取り付けたスピーカーからモーターが回転するような音が静粛性の高いモーターによる走行の際に発せられるものです。
なお、エンジンがかかっている際や停車時、速度がある程度出ているときは作動しません。
国土交通省が定める作動条件は、「少なくとも車両の発進から車速が 20km/h に至るまでの速度域及び後退時」となっていますが、それ以上の車速域に案してはメーカーの裁量により違いがあります。
音は「車両の走行状態を想起させる連続音であるもの」と定められているに留まり、これも各メーカーによって異なります。
ちなみに、警報音として不適当なものとして「サイレン、チャイム、ベル及びメロディ音」、「警音器の音」、「鳴き声等動物や昆虫が発する音」、「波、風及び川の流れ等の自然現象の音」、「その他常識的に車両から発せられることが想定できない音」が挙げられています。
また、音量は常に一定ではなく、「速度に応じて、音量又は音程が自動的に変化するなど、車両の動作を認知しやすいようにする」ことが義務付けられています。
その際、20km/hで走行するエンジン車の発する音の大きさは超えないことになっています。
こうした車両接近通報装置の義務づけについて、国土交通省の担当者は以下のように話します。
「年々EVやHVの普及が拡大し、こうした静粛性の高いクルマに関しての対策検討委員会が設けられました。
そのなかで、歩行者が静粛性が高いことで気づかないケースや、事故に遭ったというケースも挙げられています。
そのため、何か基準を検討しなければという話し合いがおこなわれ、この車両が接近する際の装置の義務付けに至りました。
この装置の義務付けにより、従来に比べて安全性の向上が期待できるといえます」
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電動車は、今後これまでのガソリンエンジン車並みに普及することは確実視されています。
そんななか、電動車の大きな魅力のひとつである静粛性が危険を産み出す懸念材料になり得る事態を行政、企業の双方向からの努力が回避しているのが現状です。
ドライバー自身もモーター走行時は歩行者が気付きづらいということを理解して、歩行者ファーストの安全運転を心がけることが望まれます。
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