スバル新型SUV「レガシィ アウトバック」日本初公開! 国内唯一の「レガシィ」名称採用! 最低地上高213mmのタフ顔仕様は何が新しくなったのか
パワートレインや先進機能はどうなっている?
パワートレインは、1.8リッター直噴ターボ(CB18)+リニアトロニック(CVT)の組み合わせです。
「アウトバックに1.8リッターで大丈夫?」と思う人もいるでしょうが、そもそもこのエンジンは先代の2.5リッター自然吸気(175馬力/240Nm)に変わるスバルのダウンサイジングターボで、177馬力/300Nmとスペック的にはそん色ないどころか、むしろ実用域トルクやドライバビリティの高さは2代目レヴォーグでも確認済みなので心配は無用でしょう。
個人的にはレヴォーグよりもゆったり走るシーンが多いと思われるアウトバックのほうが、このエンジンとのマッチングは良いのではないかと予想しています。
ちなみに北米向けは2.4リッター直噴ターボ(FA24)と2.5リッター自然吸気(FB25)の二本立てです。
「2.4リッターターボを日本にも!」という声も出そうですが、販売ボリュームや燃費規制の兼ね合いから日本への導入は難しいと聞いています。STIコンプリートモデル(レガシィがS401/402だったのでS501!?)用として導入されることを期待しましょう。
プラットフォームはSGP(スバルグローバルプラットフォーム)、それもフルインナーフレーム構造採用の新世代を採用。日本向けモデルとしては2代目レヴォーグに続く第2弾となりますが、実はワールドワイドで見るとアウトバックが初採用となります。
ちなみに今回のモデルのコーションプレートを見るとアプライド「B」、つまり1回目の年次改良がおこなわれたモデルになります。
新世代SGP採用により先代に対してエネルギー吸収性は約40%アップ(=衝突安全性アップ)、ねじり剛性は約70%アップや振動騒音の低減など、基本性能を大きくレベルアップ。
サスペンションの味付けなどは1.8リッター直噴ターボの搭載や日本の路面環境/走行条件などに合わせて最適化されているのはいうまでもありませんが、個人的にはオンロード/オフロード性能のレベルアップはもちろん、先代で目指した数値にはなかなか表れにくいが乗員は実感しやすい「動的質感」がどれだけ高められているかが気になるところです。
開発者は「見た目や機能はクロスオーバーですが、走りはグランドツーリング」と語っています。
ちなみにオフロード走行の性能に大きく影響する最低地上高は、先代の200mmから213mmにアップ。
加えて、オフロード走行をアシストする「X-MODE」は全車標準装備(リミテッド EX:2モード、X-BREAK EX:3モード)となっています。
もちろん先進安全装備も抜かりなしです。2代目レヴォーグやマイナーチェンジされたフォレスターと同じく新世代スペックで、広角化されたステレオカメラ+前後合わせて4つレーダー、電動ブレーキブースター採用などで衝突回避性能は世界トップレベルを実現しています。
加えて、3D高精度地図データとGPS情報を利用する先進運転機能「アイサイトX」は全車に標準装備。
その機能を簡単に説明すると高速域ではレーンチェンジを支援する「アクティブレーンチェンジアシスト」、コーナー前に最適速度に調整する「カーブ前速度制」、料金所でもアイサイトをOFFする必要のない「料金所前速度抑制」。渋滞時には50km/hまで手放しが可能な「ハンズオフアシスト」、渋滞時に自動で再発進が可能な「渋滞時発進アシスト」。
そして、ドライバーに何かあった際にクルマを安全に停止&周りにその状況を伝える「ドライバー異常時対応システム」など、多彩な機能が備えられています。
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このように見た目はキープコンセプト、中身は全面刷新された新型アウトバック。
個人的には先代は良くいえば「穏やか」、悪くいえば「大味」に感じていましたが、新型は基本性能に優れる数々の武器を用いて新時代に見合った“アウトバックらしさ”をどう表現しているのかが気になるところです。
2代目レヴォーグの仕上がりの高さを考えると、期待値はかなり高い所にあります。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
評価基準も示さずに"最適化"って連呼されると、妥協の産物なんだろうなって聞こえるよね。
この感覚は、実際に製品開発をしたことのある人にしかわからないかもしれないけどね。