進化? 原点回帰? トヨタ新型「ランドクルーザー」は想像以上におもしろい! まさに「The Bestランクル」か

2021年8月2日に日本で発売されたトヨタ新型「ランドクルーザー」。標準仕様とGR SPORT仕様が設定されますが、標準仕様はどのような進化を遂げているのでしょうか。

トヨタ「ランドクルーザー」 300系は伝統を上手く取り入れた「The Bestランクル」

 誕生から70周年を迎える2021年、ついにトヨタ「ランドクルーザー」が300系にスイッチしました。

 ステーションワゴン系としては55/56型から数えて6代目となる300系ですが、そのボディのなかには“大きな進化”と“歴代モデルへのリスペクト”が融合していました。

走行性が大幅に向上したトヨタ新型「ランドクルーザー(標準仕様・ガソリン車)」
走行性が大幅に向上したトヨタ新型「ランドクルーザー(標準仕様・ガソリン車)」

 デビュー前から大ヒットとなってしまった300系ランドクルーザーですが、いまや契約さえ“待ち”の状態。

 1年待ちは必至といわれ、試乗どころか実車を見ることさえも貴重となっています。

 そんな状況下で、非常にわずかな時間でしたが、300系に触れる機会を得ました。

 ランドクルーザー所有経験のある筆者(山崎友貴)が、原点回帰、歴代モデルへのインスパイアではないかと感じたところから紹介します。

 第一にそのボディデザイン。公式のリリースにも書かれていますが、300系は歴代ステーションワゴン系モデルのヘリテージを追求しています。

 300系をサイドから見ると分かりますが、100系や200系に比べるとボディ形状がかなりスクエアになりました。まさにふたつの箱を組み合わせた様な形です。

 それを見て、ある名車を思い起こすランクル好きは多いと思います。それは55/56型です。

 北米でのレジャーユースを意識して開発された同モデルは、ステーションワゴン(日本ではライトバンと呼んだ)モデルの源流ですが、300系の大まかなボディ形状やフェンダー回りのデザイン処理に、同モデルの影響を強く感じます。

 この形は強い印象を残すだけでなく、車内のスペースユーティリティの高さをうかがわせます。

 さらにフロントマスク。一見すると、最近のトヨタ車のデザインプロトコルである「キーンルック」なのですが、ヘッドライト下まで回り込んだグリルのデザインなどは、まさに55/56型を彷彿させます。

 と同時に、細長いヘッドライトを横に張り出させることで、60系以降の正統な系譜を感じさせるようにも工夫されていることが分かります。

 車内に乗り込むと、ここでもまたデザインヘリテージに出会います。80系以降、ランドクルーザーのインパネデザインは、オフロード走行に必要な水平基調を考えながらも、高級車乗用車「クラウン」や「セルシオ」、レクサスのゴージャスかつラグジュアリーさを標榜してきた感があります。

 それを歓迎したユーザーもいますが、同時にクロスカントリー4WDらしい無骨さが失われたことに嘆いたランクル好きがいたのも事実です。

 300系のインパネは潔いほどの水平さで、メータフードの形状と合わせると、60系そっくりです。ダッシュボードも極力低めに設計されています。

 これであればオフロードで自車の傾きが直感に把握でき、先方視界も確保できます。

 また、スターターボタンやモード変更のダイヤルなどが、60系時代の小メーターに見えるように考えられており、かつてのランドクルーザーが持っていた“コクピット感”を取り戻しました。

 ニヤリとしたのは、メーターです。ライバルであるランドローバーが全面液晶式を採用し、グラフィックで丸形メーターを再現しているのに対して、300系は今回もしっかりとアナログメーターにしてきました。

 中央に情報表示用の液晶モニーターを置いているものの、丸形メッキリングがランクル好きの心をくすぐります。

 またメーター同士の間隔も55/56型からの伝統的なもので、それを敢えて壊さないことに、デザイナーの歴代ランドクルーザーへの愛を感じます。

 さらに「AX」、「GX」にアナログの油温計、電圧計が復活したことで、ここでもクロスカントリー4WDらしさが戻ってきました。

 後部座席に座っても、またデザインの遊びを感じることができます。それはセンターコンソール後ろに付いた後部座席用のエアコン吹き出し口と操作部です。

 フロント同様の横ルーバーの吹き出し口はさらにクラシカルな意匠で、操作部と併せるとあるモノのデザインにそっくりです。

 それはかつてのランドクルーザーに装着されていたデンソー製「吊り下げ式クーラー」。デザイナーがそこまで意図したかは分かりませんが、こういう部分にもヘリテージを感じます。

 しかし、300系は当然ながら懐古主義で終わっていません。デザインには懐かしさを感じるインパネですが、例えば操作部はより現代的な感覚に合うように考えられています。

 4WDのHiとLowを切り替えるレバーは、まるでウインドウスイッチのような小ささですが、これは路面変化などに瞬時に対応できる操作性を考慮していることが分かります。

 走行・駆動系結合ダイヤルもしかりで、ドライブモードとマルチテレインセレクト、ダウンヒルコントロール、クロールコントロールの操作がひとつのダイヤルに統合されただけでなく、200系よりもダイヤル系が小さくなったことで、さらに直感的に操作できるようになっています。

 走行に関する操作系は、200系よりもさらにドライバーよりに配置され、慣れてくれば走行中にブラインドで各スイッチをいじることができると思います。

 このようにオールドファンにも新しいランクル好きにも受け入れられるように考えられた300系ですが、新旧の融合はデザインだけに留まりません。

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