地上最強SUVトヨタ新型「ランクル300」 実際の乗り心地はどう変わった?
ワインディングでのランクル300はどう進化した?
ワインディングでペースを上げて走らせると300系の魅力はさらに増します。
ボディの軽量化(アルミ材の積極的採用)や前後バランスの改善(エンジン/トランスミッション搭載位置を200系より低く(28mm)、車両後方配置(70mm)に移動)やフロントサスペンションアームの最適配置/リアサスのショックアブソーバーの最適配置による接地性の高さとスムーズな足の動きなど、基本素性の良さが走りにシッカリと表れています。
具体的には上屋の軽さや低重心化により無駄な動きが出にくくなったこと、フロントヘビーな感覚が減ったことで4つのタイヤをより効率的に使えるようになったことなどから狙い通りのラインがトレースしやすくなっており、結果として「誰でも上手に」走らせることができるはずです。
そういう意味でいうと、200系は「ワインディング“も”走れる」ランクルでしたが、300系は「ワンディング“が”走れる」ランクルといってもいいのかもしれません。
もちろん、なかには「さまざまなウィークポイントを許容しながらドライバーが上手に走らせることもランクルの旨味の一つ」という意見もありますが、語弊を恐れずにいうなら、すべてに遅れや緩さがあった200系と比べると「隔世の感」があるのも事実です。
300系にはパワートレイン/ステアリング/サスペンション(AVS)/エアコンの制御が変わるドライブモードセレクト(ZXは6種類)が採用されています。
そのなかで、「スポーツ+」は薄皮一枚剥したかのようなダイレクト感や俊敏性をアピールした走り、逆に「コンフォート」は単に快適性重視ではなく歴代ランクルを思い出すような大らかな動きをドライバーがコントロールする歓びも感じられるなど、各々のモードが解りやすいのも特徴です。
ただ、個人的にはオールラウンダーな「ノーマル」で十分だと感じました。もちろん「オレ様仕様」にセットアップ可能な「カスタム」もシッカリと用意されているのでご安心を。
※ ※ ※
今回はオンロードだけの試乗でしたが、200系で気になっていた部分はほぼ解消されていました。
オフロードはどこかのタイミングでテストしてみたいと思っていますが、筆者(山本シンヤ)のこれまでの経験から推測すると、基本素性の進化に加えて走行路面を判定し自動でモード選択する「マルチテレインセレクト」などの最新技術の活用などにより、200系を超えるオフロード性能を、「誰でも」、「安心して」、「快適」に実現しているのは間違いないでしょう。
価格は、510万円から800万円と200系(482万6800円から697万4000円)と比べると上級グレードがかなり高めに感じますが、これはディーゼルとGRスポーツが新たに追加されたためで、仮にガソリン車のZX同士で見ると約30万円高といった感じ。
性能・機能・装備アップを考えるとほぼ据え置き、いやむしろバーゲンプライスといって良いと思っています。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
素晴らしい進化に脱帽です。
以前BJ60に乗っていましたが、数十年でこんなにも全てか変わっていくなんて、技術の進歩は本当に凄いなぁ~と感じます。
一番驚いたのは、ディーゼルの復活ですよね!
先日試乗してそのまま注文と、迷い無く契約してきました。