日産「スカイラインGT-R」は今でも魅力的! 高性能がウリだった第二世代GT-Rの輝かしい歴史

海外でも注目される第二世代スカイラインGT-R

 R33 GT-Rは1995年1月に発売されました。ボディは大型化されましたが、エンジンは引き続きRB26DETTを搭載。最大トルクは37.5kgf・mにアップしています。

 さらにレースで得られた技術を投入され、リアスポイラーを角度調整付きにするなどして、空力特性を向上させました。

日産「スカイラインGT-R」(R33型)
日産「スカイラインGT-R」(R33型)

 グレードはGT-Rと「GT-R Vスペック」があり、GT-Rは「ATTESA E-TS」、Vスペックは「ATTESA E-TS PRO」を搭載しています。

「ATTESA E-TS PRO」は、リヤデフに「アクティブLSD」を装着、後輪左右のロック率をエンジン出力やハンドル操作量に応じて電子制御し、コーナーリング性能を高めました。

 また、「SUPER HICAS」は電動式に変更、作動レスポンスを向上させています。

 R33 GT-Rの派生モデルとして、4ドア版GT-Rやハイパフォーマンスなコンプリートカーの「400R」も発売されました。

 この時代、1995年には阪神大震災とオウム真理教関連事件が発生するなど、景気が悪化していきました。

 一方でクルマ好きたちはGT-Rやほかの高性能車に夢中になり、クルマ好きとそれ以外の人の距離があいた時代ともいえます。

 そして、1999年1月にR34 GT-Rが登場します。ボディが再び小型化され、ボディ下部にカーボン製ディフューザーを装着することで、空力性能がさらに向上しました。

 エンジンはRB26DETTを踏襲していますが、最大トルクはさらに増し、40kgf・mに到達しています。駆動系統では、トランスミッションにゲトラグ社製6速MTを搭載しました。

 また、車内にはエンジンの状態を表示するディスプレイが装着され、高性能をより味わえるような仕様になっています。

 2000年8月にカーボン製エンジンフードを装着した「VスペックII」、2001年5月には、乗り心地重視の「Mスペック」が追加されます。

 さらに、2002年2月にはニュルブルクリンクサーキットの名前を冠した限定車の「VスペックII ニュル」と「M スペック ニュル」を発売し、R34 GT-Rは2002年8月に生産を終了しました。

 この時期になると、GT-Rに肉薄する他車が次々に登場。GT-Rは高性能なドライバーズカーを目指し、濃密なドライビングを実現していきます。

 しかし景気はさらに低迷、若者はウインタースポーツなどでRV車に乗るなど、GT-Rはすっかり「クルマ好きのための孤高な高性能車」になっていたのでした。

※ ※ ※

 2001年6月には新世代スカイラインの「V35型」が登場し、GT-Rとして独立した第三世代(現行モデル)が発売されるのは2007年のことです。

 第二世代GT-Rは、希少性とさまざまな伝説を残してくれましたが、日本車が高性能車だった頃の代名詞だといえるでしょう。

 そんな第二世代GT-Rは、最近では中古車価格の高騰が目立ち、ノーマルで良好な個体ならば新車価格の数倍にもなっています。

 なかでもR32 GT-Rは、デビューから30年以上が経過し、旧車として価値があることはもちろん、アメリカで「25年ルール」と呼ばれる、登録から25年以上が経過した車両は輸入登録時の認証が簡略化される制度に該当するようになり、海外のユーザーから注目されています。

 2020年には、1995年に製造されたR33 GT-Rが25年ルールに該当するようになり、2024年には1999年製のR34 GT-Rも対象となることから、日本が誇る高性能車がさらに海を渡っていくことになるかもしれません。

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