日産 7代目新型「フェアレディZ」は「Z35型」では無い! 先代Z34を継承した真相はいかに

2021年8月18日に米国・ニューヨークにて日産新型「Z」(日本名:フェアレディZ)が世界初公開されました。日本において歴代モデルはS30やZ32、Z33、Z34などと型式で呼ばれていますが、新型Zは「Z35」と呼べるのでしょうか。

新型フェアレディZ発表! Z34からZ35に変わらないのはなぜ?

 日産は、新型「Z」(北米仕様/日本名:フェアレディZ)を2021年8月18日に米国・ニューヨークにて世界初公開しました。
 
 7代目Zとしてお披露目された新型Zですが、日本において歴代モデルはS30やZ32、Z33、Z34などと型式で呼ばれています。では、新型Zは「Z35」と呼べるのでしょうか。

なぜ新型フェアレディZは「Z35」にならないのか?(画像は北米仕様「Performance」グレード)
なぜ新型フェアレディZは「Z35」にならないのか?(画像は北米仕様「Performance」グレード)

 今回、お披露目された北米仕様のボディサイズは、全長172.4インチ(約4379mm)×全幅72.6インチ(約1844mm)×全高51.8インチ(約1316mm)、ホイールベース100.4インチ(約2550mm)。

 パワートレインは、最高出力405馬力の3リッターV型6気筒ツインターボエンジンに6速MTとパドルシフト付9速ATを組み合わせています。

 6速MTでは、新設計のシンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更。新開発の9速ATでは、幅広いギアレンジにより、ダイレクトで素早いレスポンスを実現します。

 さらに、足回りでは前後のダンパーに新設計の大径モノチューブダンパーの採用で高い操縦安定性を実現したほか、ボディ剛性の向上やワイドフロントタイヤなどを採用することで、コーナリング性能も向上させました。

 このようにさまざまな部分を進化させることで、どんな道を走っていても、ドライバーが常にクルマとの繋がりを感じられるという、初代モデルから受け継がれるZの特徴を継承しているようです。

 また、エクステリアデザインでも歴代モデルを継承しており、新型Zのデザインテーマは「伝統と最新技術の融合」となり、洗練されたエクステリアと、歴代の「Z」へのオマージュを感じさせるデザインを特徴としています。

 とくにエクステリアでは、伝統的な後輪駆動のスポーツカーのデザインを踏襲し、ロングフードや低重心のリアスタンスなど、初代モデル(S30)をはじめとする歴代「Z」へのオマージュを込めたシルエットに仕上げているといいます。

 また、LEDヘッドライトのデザインは、240ZG(S30)を彷彿とさせるふたつの半円をイメージ。リアコンビネーションランプは、Z32を彷彿とさせるデザインに最先端の技術を取り入れることで「伝統と最新技術の融合」を表現しました。

 こうした歴代モデルとなるS30やZシリーズは、米国では初代モデルが240Z、先代となる6代目は「370Z」として販売されたほか、「Z Car(ズィー・カー)」などと呼ばれています。

 一方で、日本では「フェアレディZ」として親しまれるほかに、S30やZ32、Z33、Z34など型式の通称で呼ぶことも多く、同じく日産の「スカイラインGT-R」や「GT-R」はR32、R33、R34、R35などという呼び名も定着していました。

 そうしたなかで、今回の新型Zの発表では「7代目Z」や「新型」という表記はあるものの、「Z35」という文字が見当たりません。

 2020年9月のプロトタイプ発表時から「次期型はZ35になるのか」という声がユーザーからも聞かれていましたが、真相はどうなっているのでしょうか。

 日産の広報担当者は次のように説明しています。

「新たに発表した新型Zの型式は先代と同じZ34です。そのためプラットフォームも基本は同じですが、新型Zではボディ改良、シャシチューニング、パワートレインの刷新、内外装デザインを一新しています。

 全体の80%くらいは新しい部品を使っており、プラットフォームは同じでも、走行性能は大幅に向上しました」

※ ※ ※

 クルマ好きのなかで、新型Zが「Z35」と呼べない部分はもどかしいかもしれません。

 型式とは、構造・装置・性能が同じクルマに対して付与される分類です。

 国土交通省によると、「自動車の型式認証制度は、自動車製作者等が新型の自動車等の生産又は販売を行う場合に、予め国土交通大臣に申請又は届出を行い、保安基準への適合性等について審査を受ける制度である」となっています。

 そのため、新たに型式を取得する場合、近年厳しくなっている環境性能や衝突安全性などさまざまな課題をクリアする必要があります。

 これには、さまざまなテストや装備が必須となってくるため、開発コストが高騰し、車両本体価格も上がることが考えられます。

 しかし、日産は「歴代モデルと同様の手が届くスポーツカーとして、これまで『Z』を所有してくださったファン、そして将来のファンにもワクワクする走りを提供します」とコメントするように、ユーザーに身近なスポーツカーとして、型式をZ34のまま継続することを決めたのかもしれません。

 今回、お披露目された北米仕様の価格は約4万ドル前後となるようです。

 一方で日本発表は2021年冬といわれていますが、恐らく例年1月に開催される国内最大級のカーイベント「東京オートサロン2022」にてお披露目されると予想され、日本仕様の詳細がどのようになるのか、ファンの期待が高まります。

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