新型「カウンタック」は2億6000万円! 「ミウラ・コンセプト」との違いとは?

現代に蘇った「カウンタックLPI800-4」の価格は?

 2021年の夏、クエイルロッジで世界初公開された「カウンタックLPI800-4」について筆者がなによりも驚かされたのは、「もしもショーで好評だったら、数台だけ限定生産を検討しよう」などというような観測気球的コンセプトカーではなかったことである。

市販を前提に開発された「カウンタックLPI800-4」
市販を前提に開発された「カウンタックLPI800-4」

●最初から販売されることを前提だった新型「カウンタック」

 かつてオリジナル版カウンタックにランボルギーニ社が授けたコードナンバー「LP112」にちなんだ112台限定ながら、正式にシリーズ生産されるという文言に加えて、200万ユーロ(約2億6000万円)からという販売予定価格まで、アウトモビリ・ランボルギーニ社の公式リリースに含まれていたのだ。

 翻って今から15年前、2006年に「ミウラ・コンセプト」が発表された際には、メカニズムなどの概要についての公式なリリースはなく、デトロイト・ショーに展示された車両もモックアップに過ぎなかった。

 ただ、もしかしたらダミーかもしれないものの、一応はリア・ミッドシップになんらかのパワーユニットを搭載していたそうで、当時現地で見る機会を得たメディア関係者の証言によると、レイアウトはオリジナル版ミウラのような横置きではなく、縦置きのように見えたとのことのである。

 現在のMUDETECでもリアカウルを開いてエンジンを見ることはできないのだが、もし本当にエンジンを載せていたならば、おそらくは当時のランボルギーニ生産モデルである「ムルシエラゴ」用の6.2リッターV12ユニットが選ばれるのが自然だったと考えられよう。

 また、ムルシエラゴより短めにも映るホイールベースから、もし生産化されるならば「ガヤルド」用のV10ユニットが搭載されるとも噂されながらも、このプロジェクトそのものがキャンセルとなってしまったために、今なお詳細は分からないままとなっている。

 一方、新生カウンタックLPI800-4は「ザ・クエイル・モータースポーツギャザリング」で初めてその姿を現したのと同じ段階から、エンジンなどのスペックも早々に公開されることになった

●新型「カウンタック」のベースは「アヴェンタドール」だ

 パワーユニットは、ベースとなる「アヴェンタドール」シリーズに共通するV12ガソリンエンジンに、48V電動モーターのアシストによるマイルドハイブリッド機構も搭載。エンジン単体でも最新にして最終型でもある「LP780-4ウルティメ」と同じく、780psの最高出力と720Nmの最大トルクを発生する6.5リッターのV12自然吸気ユニットに、34ps/35Nmのモーターを合わせ、システム合計では「LPI800-4」の車名に相応しい814psをマークするという。

 またボディワークについても、ミウラ・コンセプトがオリジナル・ミウラを忠実にトレースしようとしていたのに対して、カウンタックLPI800-4ではオリジナルを拡大解釈。たとえば、「LP400」以降のオリジナル版カウンタックを特徴づけていたボディ両サイドの「NACA」スクープは、より大型化されるとともに現行アヴェンタドールとの関連を思わせる意匠とされている。

 またオリジナル版カウンタックとは違って、ノーズにクーリングシステムの一部を持つアヴェンタドールに準拠するため、元祖「LP500」プロトティーポのようなフロントエンドの下には、現行型ランボルギーニに近いスタイルのエアダムスカートが設けられるなど、きわめて現実的かつ現代的なスタイリングを体現しているのだ。

 この現代風アレンジについては、当然のことながら賛否両論があるだろう。しかし、メカニズムなどのスペックを早くも公開したことと同様に、当代最新のスーパーカーとしてカウンタックLPI800-4を仕立ててきたことには、かつて不発に終わった「ミウラ・コンセプト」の轍を踏むことなく、正規のプロダクトとして世に問おうとするアウトモビリ・ランボルギーニ社の強い意志が感じられるのである。

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1件のコメント

  1. 日産Zもこういう、そもそも昔のデザインの再現性の高い感じにデザインしてくれればよかったけどね!(S30型)

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