派手さ控えめの外観でも実力アリ! ちょっと特別なスポーツセダン3選

ニーズの変化から人気が低迷し、国内ではラインナップが減少傾向にあるセダンですが、少し前の世代では魅力的なモデルが数多く存在しました。そこで、王道のセダンのなかでもちょっと特別なモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

王道のセダンながらちょっと特別なモデルを振り返る

 近年、SUV人気が続くなか、国内ではジワジワと数が少なくなってしまったのがセダンです。現在、販売中のセダンは中型から大型のモデルが主流で、スタイルも流麗なクーペフォルムがトレンドとなっています。

実力派の高性能モデルだった往年のスポーツセダンたち
実力派の高性能モデルだった往年のスポーツセダンたち

 一方で、少し前の世代ではいかにもセダンといえるフォルムで、かつ魅力的なモデルも数多く存在。

 そこで、王道のセダンのなかでもちょっと特別なモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「アコード ユーロR」

まさに大人のスポーツセダンといったコンセプトの「アコード ユーロR」

 ホンダは1976年に、「シビック」の上位モデルとして初代「アコード」を発売しました。デビュー当初は3ドアハッチバックのみでしたが、1977年には4ドアセダンを追加。その後、代を重ねるにつれアコードの主力はセダンへと移行していきました。

 1980年代になるとホンダはDOHCエンジンを復活させるなど高性能化が加速し、3代目アコードにもDOHCエンジンの「Si」グレードを設定。

 そして、1997年に発売された6代目では、高性能モデルの「SiR」の上をいく「アコード ユーロR」を追加ラインナップしました。

 2000年に登場したユーロRは、「タイプR」シリーズほどストイックに走行性能を高めるのではなく、快適な走りも可能なスポーツモデルというコンセプトです。

 先代からダウンサイジングされたボディはシャープなデザインに回帰。搭載されたエンジンは、2.2リッター直列4気筒VTECで、最高出力220馬力を発揮し、トランスミッションは5速MTのみとされました。

 外装には前後のアンダースポイラーとサイドステップが装着されるにとどまり落ち着いた印象で、専用チューニングのサスペンションや、16インチ軽量アルミホイールとハイグリップタイヤ、高剛性化されたシャシとブレーキの強化などによって優れた運動性能を実現。

 内装ではレカロ製バケットシート、MOMO製革巻きハンドル、アルミ製シフトノブ、ホワイトメーターパネルなどが採用され、スポーティに演出されています。

 その後、2002年に登場した7代目でもユーロRが設定されましたが、8代目以降の国内モデルでは、高性能グレードは設定されなくなりました。

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●日産「R34型 スカイライン 25GTターボ」

系譜を受け継いだ最後の高性能モデルともいわれる「スカイライン 25GTターボ」

 現在、日産のセダンラインナップで中核となっているモデルが「スカイライン」です。スカイラインはこれまで60年以上もの歴史があり、現行モデルが13代目にあたります。

 近年のネオクラシック人気では「スカイラインGT-R」シリーズがもはや神格化されていますが、標準車でも魅力的なモデルがあり、なかでも1998年に発売された10代目の「R34型」は今も数多くのファンが存在します。

 このR34型にはFR車では最高峰のモデルとして「25GTターボ」がラインナップされていました。

 ボディタイプは4ドアセダンと2ドアクーペで、エンジンは2.5リッター直列6気筒DOHCターボの「RB25DET型」を搭載。最高出力はスカイラインGT-R以外ではシリーズ初の280馬力を発揮します。

 トランスミッションは5速MTと4速ATが設定され、駆動方式は前述のとおりFRのみ。さらに直列6気筒エンジンということから、25GTターボはスカイラインの伝統的な系譜のなかで最高峰に位置したといえるでしょう。

 その後、2001年にR34型は生産を終了して、11代目となる「V35型」へとバトンタッチ。以降は北米市場を見据えたラグジュアリー志向の強いモデルとなったこともあり、R34型は再評価されたかたちで現在も高い人気を誇っています。

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●スバル「レガシィ RS30」

セダンではシリーズ初の水平対抗6気筒エンジンを搭載した「レガシィB4 RS30」

 スバルは1989年に、新世代のセダン/ステーションワゴンとして初代「レガシィ」を発売。従来のモデルからすべてが一新され、トップグレードには高性能エンジン+フルタイム4WDを組み合わせたことから、大ヒットを記録。スバルのブランドイメージも大きくかわりました。

 その後も初代のコンセプトを継承してレガシィは代を重ね、1998年に発売された3代目では、同じく5ナンバーサイズのスリムなボディで登場。

 初代、2代目の薄型ヘッドライトから上下2灯式の大型ヘッドライトとしたことで、フロントフェイスのイメージも刷新されました。

 また、全車4WDとなると同時に、セダンはこの代から車名が「レガシィB4」に変更され、さらにグレード構成をツーリングワゴンとは異なり、自然吸気エンジンの「RS」とターボエンジンの「RSK」と、ともにスポーティモデルのみとされました。

 すでに「インプレッサ」も登場しており、スバルの高性能モデル=ターボエンジンというイメージを確立していましたが、3代目レガシィでは2002年に3リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載した、「レガシィB4 RS30」(ワゴンは「GT30」)が追加されました。

 このエンジンは「レガシィ ランカスター」(後の「レガシィ アウトバック」)に搭載されていたもので、最高出力は220馬力を発揮。RS30のキャラクターは上質なスポーツモデルだったことから、トランスミッションは4速ATのみです。

 一方で、シャシは剛性アップが図られ、ダンパーはビルシュタイン製を装着。さらにパワーステアリングのセッティングも変更されるなど、走りの面では細部にまでこだわっていました。

 2003年には4代目でも同型式のエンジンを搭載した「3.0R」が登場していますが、やはりシリーズのなかでは特異といえるでしょう。

※ ※ ※

 最後に紹介したレガシィといえば、スバルの一時代を築いたモデルですが、すでに国内のラインナップから消滅してしまいました。

 しかし、2021年秋には、新型「レガシィ アウトバック」の復活が公式にアナウンスされています。

 北米市場では2019年から6代目アウトバックとして販売されていますが、満を持して国内市場でも発売されることになりました。

 B4とツーリングワゴンについては難しそうですが、レガシィ アウトバックの復活は朗報といえるのではないでしょうか。

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