日本の道路でも意外と運転しやすい? 現行モデルの巨大な日本車3選

近年、クルマのサイズは世界的にも大型化しています。日本では古くから「5ナンバーサイズ」という基準が存在しますが、今ではあまり5ナンバーに縛られなくなりました。一方、海外専用で販売されている日本車では、雄大な国土に対応した大型のモデルも存在。そこで、現行モデルの巨大な日本車を、3車種ピックアップして紹介します。

北米市場で販売されている巨大な日本車を振り返る

 1989年に、日本では自動車税の改定がおこなわれ、いわゆる3ナンバー車の自動車税が安くなり、大型のモデルの普及が始まりました。
 
 それ以前は5ナンバー車が主流であり、2リッター超のエンジンを搭載したモデルでも、基本的なボディは5ナンバーサイズを基準として設計されており、今の水準からすると小型だったといえます。

北米で販売されている巨大な日本車たち
北米で販売されている巨大な日本車たち

 近年は世界的にもボディの大型化が顕著で、全幅1800mm前後がひとつの基準となっています。

 日本の道路事情では、高速道路や路線バスが走る幹線道路などにおいてはボディサイズが大きくてもあまり気になりませんが、やはり住宅街や駐車場ではあまりにも大型のモデルは使い勝手が良いとはいえません。

 一方、広大な国土を誇る国では道路設計も余裕があり、大型のモデルが主流となりました。そうした国で販売されている日本車も、必然的に大型化しています。

 そこで、北米で販売されている現行モデルの巨大な日本車を、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「セコイア」

トヨタ車のなかでも最大級のSUVに君臨する「セコイア」

 トヨタのアメリカ進出は、1958年に初代「トヨペット クラウン」を輸出したことから始まりました。しかし、品質や性能に問題があったことから、1960年末には輸出を停止する事態となります。

 そこで、代わりに輸出されたのが、クロスカントリー4WD車の「ランドクルーザー 40系」で、起死回生のヒットを記録。以降はアメリカでもトヨタ車の評価が急上昇し、現在に至ります。

 現在、北米におけるトヨタ車で絶大な人気を誇っているのが「カムリ」と「RAV4」で、フルサイズピックアップトラックの「タンドラ」もヒットを続けています。

 このタンドラをベースに、ステーションワゴンタイプのボディを架装して開発されたSUVが「セコイア」です。

 セコイアは2000年に誕生した北米専用のフルサイズSUVで、現行モデルは2007年に発売された2代目。ボディサイズは全長5210mm×全幅2029mm×全高1956mmとトヨタ製SUVのなかでも最大で、2021年8月2日に発売された「ランドクルーザー 300系」が全長4985mm×全幅1980mm×全高1925mm(ZXグレード)と比べても、いかに巨大かがわかります。

 室内は3列シートの7人乗りもしくは8人乗りで、広大な空間から余裕ある居住性を実現。

 搭載されるエンジンも巨大で、レクサス「LX570」と同型の5.7リッターV型8気筒自然吸気のみ。最高出力は381馬力(米規格)を誇ります。

 駆動方式はFRの2WDとフルタイム4WDを設定し、4WDはセンターデフロックを搭載しており本格的な悪路走破性を発揮する一方、足まわりには4輪ダブルウイッシュボーンを採用することで、オンロードでの優れた乗り心地を実現しています。

 2021年秋には、タンドラがフルモデルチェンジする予定ですから、近い将来にはセコイアも3代目が登場するでしょう。

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●日産「タイタン」

とにかく押し出し感がすごいフルサイズピックアップトラックの「タイタン」

 前出のタンドラと同じく、日産も北米専用のピックアップトラックを販売中です。かつて、日本でも販売されていた「ダットサントラック」をそのまま北米でも販売していましたが、競争力の向上から北米専用モデルへと移行し、今ではミドルクラスの「フロンティア」と、フルサイズの「タイタン」というラインナップです。

 このタイタンは2003年に初代が発売され、現行モデルは2015年にデビューした2代目で、ボディはキングキャブとダブルキャブの2タイプを設定。

 ダブルキャブのサイズは全長5793mm×全幅2050mm×全高1960mmと、まさにフルサイズピックアップトラックにふさわしい堂々たるサイズです。

 巨大なボディと同様にフロントフェイスも迫力あるデザインで、押し出し感や威圧感を重視しているといえます。

 また、エンジンも400馬力(米規格)を発揮する5.6リッターV型8気筒自然吸気を搭載し、最大積載量は1.1トンほど、最大けん引重量はおよそ5トンと、トラックとしての性能も折り紙付きです。

 北米でのライバルは、タンドラやフォード「F-150」ですが、出力や先進安全技術などのポイントで、タイタンはアドバンテージがあります。

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●ホンダ「オデッセイ」

独自の進化を遂げ、日本仕様よりもひとまわり以上大きい北米版「オデッセイ」

 2021年をもって国内向けの生産を終える予定のホンダ「オデッセイ」は、初代が1994年に誕生しました。5代目「アコード」と共通のプラットフォームを使って開発されたミニバンで、日本では大ヒットを記録し、北米でも販売されました。

 しかし、北米市場では初代オデッセイは十分なサイズとはいえず、後に北米専用モデルとして独自の進化を歩み、現行モデルは2018年に登場した5代目(北米モデルとしては4代目)です。

 ボディサイズは全長5212mm×全幅1994mm×全高1735mm。日本仕様のオデッセイが全長4855mm×全幅1820mm×全高1695-1725mmですから、完全に1ランク上の車格といえるでしょう。なお、北米トヨタも「シエナ」という大型のミニバンがありますが、オデッセイの方がわずかに大きくなっています。

 外観は日本のオデッセイとはまったく異なる独自のデザインを採用。5m超の全長を生かした伸びやかなフォルムです。

 室内は3列シート8人乗りで、2列目シートはセンターの取り外しが可能。7人乗りの状態では2列目シートは横スライドでき、多彩なシートアレンジを実現しています。

 エンジンは最高出力280馬力(米規格)を発揮する3.5リッターV型6気筒自然吸気で、今のところハイブリッドはラインナップされていません。

 先進安全技術が全車標準装備され、快適装備も充実。上級グレードではレザーのパワーシートが1列目2列目シートに採用されるなど、ベーシックなグレードからプレミアムなグレードが設定されています。

※ ※ ※

 セコイアやタイタンは、日本でも並行輸入のかたちで販売されているので、路上で見たことがある人も多いのではないでしょうか。

 さすがにコインパーキングやスーパーの駐車場では苦労しそうですが、高速道路などのロングドライブは快適に走れそうです。

 また、こうした大型のSUVやピックアップトラックはドライバーの視点が高く、ボディの見切りも良好なため一般道でも意外と運転しやすいのですが、出かける際のルート確認は必須でしょう。

 なお日本でも2019年12月に、これらのモデルに匹敵する大きさのミニバン、トヨタ「グランエース」が発売されましたが、ホテルの送迎用など法人需要を想定しています。

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