クルマのナンバープレートには、自分の好きな番号を付けることができる「希望ナンバー制度」というものがあります。
　
　そのなかで、「358」は2021年に入ってから、愛知県名古屋市で抽選対象希望番号に選ばれるほど人気が高まっています。なぜ358の人気が高まっているのでしょうか。

　基本的にクルマに装備されているナンバープレートの4桁の数字は、通常の場合はランダムで発行されます。

　しかし「希望ナンバー制度」では、一部の車種に限り4桁の数字（一連指定番号）を好きなものを希望出来ますが、そのなかでも人気のナンバーは「抽選対象希望番号」となっています。

　全国一律で抽選対象の番号とされているのは「1」「7」「8」「88」「333」「555」「777」「888」「1111」「2020」「3333」「5555」「7777」「8888」の14通りです。

　また、これ以外にも登録車や軽自動車、地域毎により抽選対象が設けられていることがあります。

　最近の希望ナンバー制度の動向について、全国自動車標板協議会は「2021年4月になってから抽選番号に『358』が加わっていて、とくに名古屋で人気のナンバーとなっています」と説明しています。

　全国自動車標板協議会によると、登録自動車の特定地域名表示に限って追加された抽選対象希望番号として、名古屋市で358が選ばれています。

　愛知県自動車会議所の担当者は、「実際に愛知県で申し込みが多いというのは感じており、名古屋では358という数字が抽選番号に選ばれています」と話します。

　なぜ名古屋を中心に人気が出ているのでしょうか。愛知県の陸運局・検査登録事務所に確認してみたところ、それぞれ以下のように回答しています。

　●愛知運輸支局
「358が増えているという個別の状況は存じ上げません。

　ただ、今までも個別に登録数が増えている番号はあり、その際は職員の間で『増えてるね』という話程度で、原因を調査することはしておりません。

　そのため、ネットの噂以上の情報は持ち合わせておりません。特定地域のナンバーに指定されているということなら、確かに名古屋での登録数は増えているのでしょうが、原因まではわかりません」

　●西三河自動車検査登録事務所
「ミニクーパーなら3298が語呂合わせで人気、富士山ナンバーは3776が人気という話は聞きますが、358については土地柄やクルマの車種に由来するものとして聞いたことはありません。ネット上では358は『すべてうまくいく番号』と紹介されるようですが、名古屋だから、という特別な理由はないように思います」

　●小牧自動車検査登録事務所
「358が増えているということは尾張では確認できていません。また、由来についても、そもそも増えている情報として上がってきていません」

　●豊橋自動車検査登録事務所
「名古屋で358が増えている理由も把握していません」

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　陸運局からは、明確に358のナンバーが増えている理由についての回答は得られませんでした。また、富士山ナンバーにおける「3776」など、地方特有の数字ということでもないようです。

　では、実際にクルマを販売しているディーラーでは、358の申込について何か情報を持っているのでしょうか。

　名古屋のあるディーラーの販売店スタッフは以下のように話します。

「私が担当したお客さまのなかには、ネットニュースで『縁起がいい』『全て上手くいく』という情報を仕入れて358を希望される人もいます。

　ただ、具体的に『なぜ358が人気なのか』といった詳細な情報については持ち合わせていません。

　『名古屋だから』という特別な思い入れがあるとは聞いておらず、名古屋だけでなく、全国的に増えているとは聞いています。

　名古屋は全国で見てもクルマの台数が多いので、登録台数がとくに目立つのではないでしょうか」

　ディーラーで358の申込を受け付ける理由は、やはりネットで「縁起がいい」「全がうまくいく」という情報が出回っていることが要因のようです。