運転中に地震や洪水が発生したらどう対処? 被害を受けたクルマはどこまで修復可能?
昨今、水害や地震や頻繁に発生していますが、クルマを運転中に災害に見舞われたらどのように対処すべきなのでしょうか。また、災害で被害を受けたクルマは修復することが可能なのか、整備士に話を聞いてみました。
クルマを運転中に地震や水害など自然災害が発生するとどうなる?
近年、日本全国でさまざまな自然災害が発生しています。とくに日本は地震が多く、小さい地震は毎日のように起こっています。
さらに、台風やゲリラ豪雨では大雨による川の氾濫や土砂崩れが起きたりしていますが、もしクルマで走行中に自然災害に遭遇したら、どういう状況になることが考えられるのでしょうか。
大地震が発生した場合、さまざまな事態が想定されます。強い揺れが原因で建物や電柱、高架などが倒壊。とくに繁華街では看板やビルの上層階から割れたガラスが降り注ぐことで、クルマにも甚大な被害が出る可能性があります。
山間部や傾斜地では土砂崩れにも注意が必要です。土砂に飲み込まれる危険性に加えて、二次災害として道路が寸断され孤立してしまう恐れもあります。
場所によっては、震度5以上の地震で地盤の亀裂や液状化が発生し道路が損壊。埋立地などは液状化現象や地盤沈下や、マンホールが浮き上がるなどの被害も想定されます。
夜間に地震が発生した場合は、視界の悪化により地面の変化だけでなく垂れ下がった電線なども見つけにくいなどまともに走行できない状態になったり、また地中に埋められたライフラインなども寸断される恐れもあります。
また、地震による津波は以外に大雨によって発生する土石流や川の氾濫にも注意が必要です。
一般的なクルマは下からの防水性が弱く、あっという間に走行不能に陥ることもあり、さらには強烈な勢いの濁流にはさまざまなものが同時に流され、凶器となってクルマを襲います。
ちなみに2011年3月に発生した東日本大震災の津波で被害を受けたクルマは、岩手・宮城・福島の3県で少なくとも23万6000台以上。
熊本県を中心に九州や中部地方を襲った2020年7月の豪雨でも、水害により多数のクルマが被害を受けたのは記憶に新しいところです。
運転中に地震が発生したとき、国土交通省では「(地震発生直後)急ブレーキをかけずに徐々にスピードを落とし、安全な状態になってから道路の左側に停車」「高速道路上の場合はハザードランプを点灯させ周囲へ注意喚起を促し、約1kmごとにある非常口から徒歩で地上に脱出」などを推奨しています。
またJAFは、台風やゲリラ豪雨などの大雨が発生しそうな状況では、アンダーパスや川沿い、海岸沿い、急傾斜地など、危険な場所には近づかないようにすることや、事前にハザードマップなどを活用して危険個所を確認しておくことを勧めています。
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建造物や人も密集している都心部では、地震や水害によって道路が寸断されたり信号が機能しなくなるなど、いわゆる交通麻痺が発生する可能性が高いといわれています。
大規模災害が発生すると、都内23区を円状に囲む幹線道路「環状線7号線」より内側へのクルマでの進入は禁止され、クルマの使用自体が制限されるケースも多くなります。
海沿いの地域でも、原則的に津波による高台への避難以外でのクルマの使用はかなり制限されると思って間違いないでしょう。
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