ヤマハ新型「MT-07」 刷新されたスタイルに、扱いやすさとスポーツライディングの醍醐味が凝縮されている

2021年型でマイナーチェンジとなったヤマハ「MT-07 ABS」は、兄弟モデル「MT-09」共通の新デザインとなり、さらに扱いやすく、心地よいスポーツ走行が楽しめるモデルになりました。その性能をサーキット試乗で体感しました。

ビッグオフからスーパースポーツまで対応するエンジン、その懐の深さがキモ!

<

 ヤマハのスポーツネイキッド「MT-07」が改良を受け、2021年7月28日から発売が始まっています。軽量コンパクトな車体と扱いやすいエンジンに定評があったわけですが、一体どんな進化を果たしたのか? クローズドコースで行なわれた試乗会の模様をお届けしましょう。

【画像】ヤマハ新型「MT-07」の詳細を見る(15枚)

ヤマハ新型「MT-07」(2021年型)に試乗する筆者(伊丹孝裕)

<

 今回の試乗会は、「MT-09」と「MT-09 SP」、「トレーサー9 GT」とともに開催されました。「MT-09」と「TRACER(トレーサー)」の2機種がフルモデルチェンジなのに対し「MT-07」はマイナーチェンジだったため、どことなく脇役感が漂っていたのは否めません。

 ところが、その場にいたライダーの多くが「MT-07ってこんなに良かったっけ!?」と口にし、評判は上々でした。そうした声に異論はまったくなく、ライディングの醍醐味のひとつである「スロットルを開ける歓び」がたっぷりと詰まっていたのです。

 初代「MT-07」は2014年に登場し、2018年に2代目へ進化しています。その時、エンジンとフレームの基本設計は変えることなく、足まわりやライディングポジションの最適化、外装デザインの変更といったアップデートが施されました。

 今回の3代目は、それがさらに推し進められています。エンジンはECUやインジェクションのリセッティングで環境規制(ユーロ5)に対応。そして、ブレーキディスクの大径化やハンドルの形状変更(幅を32mm広げ、高さを12mmアップ)によって安全性と快適性が引き上げられました。

ヤマハ「MT-07」(2021年型)カラー:ディープパープリッシュブルーメタリック

<

 歴代のモデルと比較し、最も大きく変わった点がフロントのデザインでしょう。ヘッドライトは異形の角型ではなく、小径の丸型LEDヘッドライトを採用。その左右にポジションランプを配置することによって、正面から見るとYAMAHAの「Y」をモチーフにした造形が与えられたことが特徴です。

 さて、実際にまたがった時の印象は、これまで通りスリムかつコンパクトです。ハンドル形状の変更は、より大柄なライダーをカバーするためのものですが、高くなっているおかげで姿勢は安楽そのもの。上体はほぼ直立に近く、腕を自然に伸ばしたところにグリップがあるため、誰が乗ってもリラックスできるでしょう。

 ハンドル変更の恩恵は他にもあり、力が入れやすくなったぶん、車重が軽く感じられます。184kgの車重はそもそも軽量な部類ですが、体感的には250ccクラスのスポーツバイクよりも少し手応えがあるかな、という程度。心理的にも安心感が高く、小柄なライダーやビギナーには確実におすすめです。

シート高805mmの車体に身長174cmの筆者(伊丹孝裕)がまたがった状態

<

 そういう敷居の低さを、さらに引き下げているのが688ccの並列2気筒エンジンです。スロットルを大きく開けても豹変することなく、少々ラフな操作でも穏やかにパワーとトルクが上昇。高回転まで回しても優しい排気音が続きます。

 もうひとつ、このエンジンの大きな魅力が明確なトラクションです。爆発のチカラがリアタイヤに伝わり、路面をタタンッタタンッと蹴り出す様がじつに心地よく、それを味わいたいがために、ついつい右手が大きく動きがち。「パワーとトルクを意のままにコントロールしている」という満足度は、ヤマハ最良のレベルに達しています。

 スーパースポーツならおっかなびっくり乗るような場面でも積極的に操り、スイスイとコーナーを駆け抜けていけるのが「MT-07」で、その意味でじつに玄人好みのモデルでもあります。

 電子デバイスの類はほとんどなく、エンジンモードもトラクションコントロールもクイックシフターも装備していません。とはいえ、それらを必要としないほどすべてが手の内にあり、素直さのお手本のようなキャラクターを実現。スポーツライディングの基本がギュッと詰まった一体感に、今回のモデルチェンジの意味がありました。

排気量688ccの水冷直列2気筒DOHC4バルブエンジンを搭載

<

 このエンジンは、「XSR700」、「テネレ700」、「トレーサー700」(国内未導入)へと派生し、先頃欧米で発表された「YZF-R7」にも搭載。オンもオフも、ネイキッドにもスーパースポーツにも対応する懐の深さが、素性の良さを物語っています。その中心にある「MT-07」の楽しさを、まずはショップや試乗会などで味わってみてください。

※ ※ ※

 2021年7月28日より発売開始となったヤマハ新型「MT-07」の価格(消費税10%込み)は81万4000円です。カラーバリエーションは「パステルダークグレー」「ディープパープリッシュブルーメタリック」「マットダークグレーメタリック」の3パターン設定です。

提供:バイクのニュース

ヤマハ「MT-07」は取りまわしの良さと走りを両立した優等生モデル


ヤマハ「YZR750」 ロードレーサー2スト最大排気量のモンスターマシン


ヤマハ「XSR125」登場 シリーズ最少排気量の原付二種ヘリテイジスポーツ


ヤマハ「MT-09 SP」2021年モデル公開 「R1M」譲りのカラーリングと専用装備でスポーティさを向上


ヤマハから新型「EC-05」登場! 最大110kmの航続距離を実現した次世代の電動スクーター

【画像】ヤマハ新型「MT-07」の詳細を見る(15枚)

まさか自分のクルマが… 高級外車のような超高音質にできるとっておきの方法を見る!

画像ギャラリー

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー