カクカクしていてカッコいい! 昭和のスタイリッシュなクーペ3選

クルマのデザインは時代によって変化し、流行があります。1970年代の後半から1980年代は、平面を多用した直線基調のデザインがトレンドになりました。そこで、昭和の時代に誕生したカクカクボディのクーペを、3車種ピックアップして紹介します。

直線基調のデザインを採用したスタイリッシュなクーペを振り返る

 クルマの外観デザインはヒットするかしないかを左右するほど重要ですが、時代によってトレンドがあり、絶えず変化を続けています。

 近年はセダンもSUVも流麗なシルエットを採用するクルマが多く、ボディサイドに複雑なプレスラインを入れるのも流行しています。

直線基調ながらスタイリッシュなフォルムのクーペたち
直線基調ながらスタイリッシュなフォルムのクーペたち

 こうしたデザインの移り変わりは世相を反映しているケースだけでなく、プレス型の製作や材料など生産技術からも影響があり、かつてできなかったデザインが表現できるようになった例もあるでしょう。

 そうしたデザイントレンドのなかでも、1970年代の終わり頃から1980年代にかけては、ボディパネルに平面を多用した直線基調のモデルが流行りました。

 そこで、カクカクボディながらスタイリッシュな昭和のクーペを、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「MR2」

ミッドシップ車らしいフォルムが印象的な初代「MR2」

 1984年に国産小型乗用車初のミッドシップ・リアドライブを採用したトヨタ初代「MR2」が誕生しました。車名は「ミッドシップ・ランナバウト2シーター」を意味し、生粋のスポーツカーを思わせるクーペボディながら「スポーティコミューター」というコンセプトでした。

 なお、このコンセプトはGMのポンティアック「フィエロ」に由来したといいます。

 外観は当時のトレンドだった直線基調のクサビ型フォルムで、リトラクタブルヘッドライトの採用からもスポーツカーを思わせました。

 トップグレードには「カローラFX」と同じ最高出力130馬力(グロス)の1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「4A-GELU型」を搭載し、950kgと軽量なボディと相まって優れた走行性能を披露。

 一方で性能を追求するだけでなく、シート高さを最適なポジションに設定して乗降性を向上し、2シーターミッドシップながらラゲッジスペースも十分な容量とするなど実用性にも配慮。さらにトランスミッションは5速MTのほか4速ATも設定されて、コミューターという面も考えられていました。

 その後、1986年のマイナーチェンジではスーパーチャージャー・モデルを追加し、最高出力145馬力(ネット)を誇り、サスペンションセッティングも最適化されたことにより、よりミッドシップ車らしいシャープな走りを実現しました。

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●日産「S110型 シルビア/ガゼール」

洗練されたスタイルかつ高性能化も一気に進んだ3代目「シルビア」

 日本でようやくマイカー時代が始まろうとしていた1965年に、日産は高級なスペシャリティカーとして初代「シルビア」を発売しました。

 しかし、生産工程の多くをハンドメイドとしたことから、当時としてはかなり高額なクルマになってしまい、購入できる顧客は限られ、わずか3年ほどで生産を終了。

 それから7年の空白期間があり、1975年に2代目が登場してシルビアが復活しました。価格を抑えた量産スポーティモデルへと変わりましたが、性能的には排出ガス規制の強化という背景から特筆すべきところはなく、デザインも米国市場を意識したフォルムから賛否が分かれ、販売は好調ではありませんでした。

 そこで、1979年に3代目へフルモデルチェンジ。外観デザインを直線基調のシャープなフォルムに一新して若者に訴求したことから、見事にヒット車となりました。

 ボディタイプは2ドアハードトップクーペと3ドアハッチバッククーペをラインナップし、販売チャネル違いの姉妹車「ガゼール」も加わりました。

 フロントフェイスは角型4灯式とすることで精悍で迫力のあるデザインとなり、ハードトップ、ハッチバックどちらも甲乙つけがたいほどスタイリッシュなシルエットです。

 1981年には、最高出力135馬力(グロス、以下同様)を発揮する1.8リッター直列4気筒SOHCターボエンジン車を追加ラインナップし、1982年に最高出力150馬力の2リッター4気筒DOHC16バルブ「FJ20E型」エンジンを「スカイラインRS」から移植した「RS」グレードが登場したことで、シルビアはコンパクトなスポーツカーというイメージが定着。

 比較的安価な価格から若者から高く支持され、その後のシルビアも3代目のコンセプトを継承していきました。

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●ボルボ「780」

名門カロッツェリアであるベルトーネがデザインした「780」

 最後に紹介するのはボルボのクーペという異色のモデルです。昭和の時代には、ボルボがつくるクルマというと、安全性を重視した無骨で質実剛健なイメージがありました。

 そんなイメージを大きく覆したのが1985年に発売された「780」です。セダンの「760」をベースにした2ドアクーペで、イタリアの名門カロッツェリアであるベルトーネがデザインから生産まで担当しました。

 ベルトーネといえばランボルギーニ「ミウラ」やランチア「ストラトス」など、数々のスーパーカーやスポーツカーのデザインを手掛けていましたが、1977年に登場した同社初のクーペ「262C」もボルボとベルトーネの合作といえ、その縁から780が誕生。

 780の外観の多くは平面によって構成され、ボルボならではの質実剛健さ残しつつも均整の取れた美しいフォルムを実現していました。

 また、内装は高級クーペにふさわしくゴージャスで、本革と本木目をふんだんに使ったイタリアンテイストに仕立てられています。

 780は1990年に生産を終え、その後、1997年にクーペとカブリオレの「C70」が登場しますが、以降はクーペを生産していません。

※ ※ ※

 近年では、流麗なフォルムが流行するなか、再び直線基調のモデルも注目されるようになりました。

 とくにスズキ「ジムニー」やメルセデス・ベンツ「Gクラス」、ジープ「ラングラー」、復活したフォード「ブロンコ」など、クロスカントリー4WD車では「道具」としてのイメージもあって、直線基調のボディが似合います。

 実際にスクエアなフォルムは見切りも良いため、クロカン車では理にかなっているといえるでしょう。

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コメント

1件のコメント

  1. >MR2:コンセプトはGMのポンティアック「フィエロ」に由来したといいます
    導入年が1年しか違わないのでそれは違うと思う。導入年が近いのは偶然でしょう。
    FF車を後ろ向きに走らせるコンセプトやデザインのオリジンは、フィアット・X1/9だと思う。ただ、X1/9の導入とは10年以上違う。MR2が出る10年前(1972年頃)って、そもそもトヨタはFF車をまだ持ってなかったからなあ。