GR顔は飾りじゃない! トヨタ新型ランクル300発売! GRスポーツならではの魅力とは
GRスポーツならではの特徴とは?
シャシ系は、フレーム構造を継承しながらも全面刷新されたTNGA「GA-F」プラットフォームを採用。
剛性を大きく高めながら200kgの軽量化が話題となっていますが、実はユニットの最適配置(エンジン/TM搭載位置をより低く(28mm)、より内側(70mm)に移動)も大きな進化のひとつで、荷重移動に対する応答性アップに大きく寄与しています。
サスペンションもプラットフォームの刷新に合わせて新開発(フロント・ダブルウィッシュボーン式、リア・トレーリングリンク車軸式)されています。
リアショックアブソーバーの見直しは起伏の続く中高速走行時やジャンプ着地後の接地性向上のため、サスペンションアームの配置変更高速ブレーキング時の安定した姿勢のためと、ダカールラリー参戦ドライバーの改善要望が活かされています。
これら基本素性の向上に加えて、GRスポーツには専用装備「E-KDSS(エレクトリック・キネティック・ダイナミック・サスペンショシステム)」を世界初採用。
これは前後のスタビライザーを自動で電子制御し、前後輪それぞれの状況に応じて細かくスタビライザー効果を変化させることが可能なシステムで、オンロードでの走行安定性とオフロードの走破性を高次元での両立させる強力な武器です。
加えて、 GRスポーツ専用のサスペンションセット(ばね定数/AVSの最適化)により、優れた操縦安定性とランクル史上最長のホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)を実現。
さらにGRスポーツにはフロント/リアに電動デフロックを搭載(ノーマルはリアのみオプション設定)。
実はフロント・デフロックは80系以来23年ぶりの復活アイテムですが、これもダカールラリー参戦ドライバーの「スタック時の脱出タイムロス低減」に対する改善要望が反映された項目でもあります。
ランクルの進化で「オフロード性能は下げてはならない」という決まり事があるそといいますが、厳密にいうと限界的な悪路走破性に関してはこれまで80系が歴代最強といわれてきました。
そこで300系では前述の進化に加えて、走行路面を判定し自動でモード選択する「マルチテレインセレクト」などの最新技術の活用などにより、80系を超えるオフロード性能を、「誰でも」、「安心して」、「快適」に実現できたというわけです。
すでにTLCは、2023年のダカールラリーにランクルGRスポーツをベースにした車両で参戦することを発表しています。
モータースポーツを車両開発に活した300系をモータースポーツという過酷な運転環境下でさらに鍛えていく、このいい循環による今後の進化・熟成にも期待したいと思います。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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