まさに昭和デザインのスポーツカー! 三菱「スタリオン」を振り返る
現在、三菱のラインナップにスポーツカーはありませんが、昭和から平成にかけては数多くのスポーツカーが存在。その代表的な車種が「スタリオン」です。そこで、昭和の時代に誕生し、平成になって消えたスタリオンを振り返ります。
記録より記憶に残る昭和のスポーツカー三菱「スタリオン」を振り返る
2015年に、三菱は「ランサーエボリューション ファイナルエディション」を発売。このモデルを最後に同社のラインナップからスポーツカーが姿を消しました。
現在、三菱のラインナップではSUVと軽自動車が主力ですが、昭和から平成にかけては数多くのスポーツカーが販売されており、他メーカーにはない魅力的なモデルも存在。
そのなかでも代表的なモデルが「スタリオン」です。そこで、昭和の時代に誕生し、平成になって消えたスタリオンを振り返ります。
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三菱は1982年に、欧米のスポーツカーに匹敵する性能を目指した次世代モデルとして、スタリオンを発売しました。
外観は直線基調のシャープなフォルムの3ドアハッチバッククーペで、スーパーカーとイメージさせるリトラクタブルヘッドライトを採用し、まさにクサビそのものといったウェッジシェイプのシルエットはスポーツカーらしさあふれるものでした。
グレード構成は装備によって分かれ、当初からターボエンジン車をラインナップ。トップグレードは「GSR-X」で、続いて「GSR-III」「GSR-II」「GSR-I」、そして自然吸気モデルの「GX」です。
ボディサイズは全車共通で全長4400mm×全幅1685mm×全高1320mm、ホイールベース2435mmと、サイズ的には当時の同クラスでは標準的ですが、ショートホイールベースとなっていました。
内装では7つのメーターを配置した(デジタルメーター仕様もあり)コクピットに、サポート性の高いバケットシートを装備しGSR-Xでは本革を採用するなど、欧州製スポーツカーに負けないスポーティな装いとなっています。
搭載されたエンジンは、前述のとおり誕生当初から2リッター直列4気筒SOHCターボを設定。電子制御燃料噴射装置を装備して最高出力は145馬力(グロス)を発揮しました。自然吸気エンジンは2リッターのキャブレターで、110馬力です。
サスペンションは4輪ストラットの独立懸架ですが、GXのみがリアは4リンクのリジッドアクスルを採用。また、ターボモデルのブレーキは当時としては先進的な4輪ベンチレーテッドディスクが奢られていました。
一方、ステアリング機構は当時の三菱車では一般的だったリサーキュレーティング・ボールを採用。そのためハンドリングは比較的しっとりした印象で、あくまでもGTカー的な味付けだったともいえます。
その後、自然吸気モデルは廃止され、2リッタークラスのパワー競争が激化するなか、1983年にはインタークーラーを装着して最高出力は175馬力(グロス)まで向上。
さらに、1984年には他社に先駆けて可変バルブシステムを採用した「シリウスDASH 3×2」ターボエンジンを搭載した「GSR-V」グレードが追加ラインナップされ、最高出力は200馬力(グロス)を誇り、2リッターエンジン車ではトップクラスへと躍進しました。
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