原因はオリンピックとコロナ禍!? いま都内の駐車場料金に異変が起きている理由とは
いま、都内の時間貸し駐車場の料金に大きな変化が起きています。一部の機械式立体駐車場は大幅な値下げをしているところもあり、逆に、とくに幹線道路に面していたり使い勝手の良い場所にある平置きのコイン駐車場は、時間あたりの料金が値上がりしている場所もあるそうです。一見、真逆のように思える減少が同時期に置きている理由とはなんなのでしょうか。
販売上位10位に車高1.55m以下の乗用車は3車種、軽はわずか1車種
いま、都心部にある時間貸し駐車場の料金に大きな変化が起きていることを知っているでしょうか。
じつは一部の機械式立体駐車場における料金の大幅な値下がりと、平置き式駐車場の時間あたり料金の値上がりという、一見真逆な現象が同時に進行しているのです。
その背景には、クルマの“売れ筋”の変化、郊外型モールの開業、そして宅配便需要の激増など、複数の要因が絡み合っています。
ミニバンやハイト系軽ワゴンなど、いわゆる“背の高いクルマ”は、もはや日本の乗用車のスタンダードになっています。
しかし都市部に多い機械式立体駐車場は、最近こそこうした“背の高いクルマ”に対応したところも出てきましたが、その多くは「車高1.55m以下」のクルマしか利用できないままでいます。
そうしたミスマッチは、統計からも明らかです。日本自動車販売協会連合会がまとめた2020年度の「乗用車ブランド通称名別順位(2020年4月から2021年3月累計)」の上位10車種のうち、「車高1.55m以下」となるのはヤリス、カローラ、フィット(FFのみ1.55m以下)の3車種だけ。上位20車種まで範囲を広げても、プリウス、アクア、パッソが加わるのみです。
さらに軽乗用車では、その傾向がさらに顕著です。全国軽自動車協会連合会の「通称名別 新車販売確報(乗用車)」の上位10車種で「車高1.55m以下」に該当するのは、わずかにミラだけなのです。
もちろん中古車市場でも、こうした“背の高いクルマ”が人気を集めていることはいうまでもありません。
こうしたことから、「車高1.55m以下」にのみ対応する機械式立体駐車場を利用できるクルマはかなり少なくなっていて、そうしたクルマを複数の駐車場が奪い合っている状況であると考えられるのです。
その結果は、都心部の繁華街の立体駐車場の料金設定からも明らかです。
まず「車高1.55m以下」のクルマのみが入庫できる駐車場では、上限料金を低く抑える動きが目立っています。とくに過当競争となっている地域のやや目立たない場所にある駐車場では、12時間や24時間の上限が「1200円」など、破格の安さになっているところもあります。
また“背の高いクルマ”にも対応する設備を持った比較的新しい立体駐車場では、車高に応じて二段階の上限料金を設けているところが増えており、この場合も「車高1.55m以下」は安価に抑えているところが目立っています。
そして“背の高いクルマ”の料金についても、クルマでの買い物に便利な郊外型の大規模モールが人気を集めていることもあり、以前に比べ比較的低廉となっています。
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