スズキ・ダイハツ軽商用連携! キャリイ&ハイゼットは共通化する?「日本のインフラ」軽トラ&ジムニーの未来は?
軽トラは世界でもっともリーズナブルな最強の「働くクルマ」だが…
今回の発表で示された商用車の市場動向では、日本国内での商用車保有台数1400万台のうち軽商用車が約58%を占めるといいます。
また日本の物流事業者数は約6万社で、そのうち70%が個人、または従業員20人以下の小規模事業者なのです。
こうした軽商用ユーザーを支えるため、価格はリーズナブル、でも働くクルマとしてタフであり利便性が高いクルマが求められた形が、軽トラックだといえます。
ただし、軽トラックの開発は大変なのに価格はかなり抑えており、さらにユーザーの保有年数も長いことから、メーカーにとって軽トラックはけっして旨味があるビジネスだとはいえません。
ここに、さらに電動化という高コストな新規導入が加わるため、ホンダの場合は仲間を見つける前に、「アクティ」の生産中止という苦渋の選択をしています。
一方で、スズキとダイハツは両社が手を組むことでの量産効果を狙うと同時に、日野・いすゞ、または「ハイエース」を開発しているトヨタ車体などともCASE全般で連携するという戦略に打って出たのです。
つまり、近い将来にはダイハツ「ハイゼット」とスズキ「キャリイ」が兄弟車になる可能性が高まったといえます。
ちょうど、「GR86」とスバル「BRZ」の関係のようになるのではと推測できます。
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では、スズキを代表するクロスカントリー車「ジムニー」はどうでしょうか。
各種自動車メディアでは、ダイハツがジムニー対抗として、ラダーフレームではないオフロード向け四輪駆動車を「ラガー」という名称を復活させるのではという噂が流れています。
一方で、アメリカのジープは、主力の「ラングラー」を含めたプラグインハイブリッド車の4xeを全モデルに拡充するのと並行して、EV専用モデルの発売にも明言しています。
ジムニーについてもラングラーのようにラダーフレームを維持しつつ、ダイハツとの協業する形での次世代の電動化に期待がかかります。
軽自動車業界の巨頭、スズキとダイハツの事業連携は、まさに「100年に一度の自動車産業大転換期」を象徴する出来事だと思います。
2社の連携が今後、軽のみならず普通車を含めて、商用から乗用にいつどのように影響し、どんな2社協業モデルが生まれるのか。さまざまな業界からも動向が注視されそうです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
誤記が多すぎ❗
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。
ジムニー FCVを作って欲しい。