とにかくパワー重視なのが魅力? 大衆車ベースの過激な車5選
古くから大衆車として販売されているコンパクトカーと軽自動車は、今も庶民の足として活躍しています。そんな大衆車をベースとした高性能モデルが存在。そこで、往年の高性能コンパクトカー・軽自動車を5車種ピックアップして紹介します。
大衆車に高性能なターボエンジンを搭載しちゃったモデルを振り返る
最近はあまり耳にしなくなったフレーズとして「大衆車」があります。文字どおり大衆のためにつくられたクルマで、かつてはトヨタ「カローラ」や日産「サニー」、「スバル360」などが大衆車の代表的存在でした。
大衆車は今ではベーシックカーと呼ばれますが、コンパクトカーや軽自動車が主流なのは変わっていません。
かつて、この大衆車をベースにハイパワーなターボエンジンを搭載したモデルが数多く存在。そこで、往年の過激なコンパクトカー・軽自動車を5車種ピックアップして紹介します。
●日産「マーチ スーパーターボ」
日産は1982年に、サニーよりも安価でコンパクトな次世代の大衆車として初代「マーチ」を発売しました。
巨匠ジョルジェット・ジウジアーロがデザインしたシンプルながら飽きのこない外観と、機能的な内装、低価格を実現したことから国内外で大ヒットを記録しました。
この初代マーチをベースに、ラリーに参戦する目的で開発されたのが、1988年に登場した「マーチ R」です。
さらに、1989年にはマーチ Rをベースに装備を充実させ、日常での使用を考慮した「マーチ スーパーターボ」がデビュー。
エンジンは930cc直列4気筒で、ターボチャージャーとスーパーチャージャーの2種類の過給機が装着された、日本初のツインチャージャーエンジンを搭載し、最高出力は110馬力(グロス)とクラストップのパワーを誇りました。
これほどのパワーでも車重は770kgと軽量で、FFながら加速性能は上位クラスを凌駕するほどでした。
しかし、当然ながらパワーステアリングは設定されず、トルクステアと格闘しなければならないほどの操縦性は、まさにスポーツドライビングといえました。
●ホンダ「シティ ターボII」
ホンダは1981年に、「シビック」よりもコンパクトなエントリーモデルとして初代「シティ」を発売。
全高を高くした異例のデザインを採用し、広い室内空間と優れた経済性から一躍ヒット車となりました。
そして、1982年にはパワー競争に参戦するかたちで、最高出力100馬力(グロス)の1.2リッター直列4気筒SOHCターボエンジンを搭載した「シティターボ」が誕生。
さらに1983年には、シティターボのエンジンにインタークーラーを追加して過給圧アップを図り、1.2リッターから最高出力110馬力(グロス)を絞り出す「シティターボII」が登場しました。
外観もハイパワーなエンジンにふさわしく、大型のパワーバルジ付きボンネットや、トレッドを拡大してブリスターフェンダーとするなど、迫力あるフォルムを演出。
一方、雨天時や滑りやすい路面でのアクセルワークは慎重におこなう必要がある出力特性で、コーナリング中の挙動もナーバスなところもあり、速く走らせるにはドライバーの腕次第という面がありました。
前出のマーチ スーパーターボと同じく、エンジンパワーがシャシ性能を上まわった、典型的なジャジャ馬です。
●ダイハツ「ブーンX4」
ダイハツは1990年代から2000年代にかけて、ライバルに対抗するかたちでモータースポーツへの参戦とサポートを推進していました。
そのためのモータースポーツベース車として「ミラ X4」や「ストーリア X4」を開発し、さらに2006年にはストーリアX4の後継車として「ブーン X4」を発売。
ブーン X4はトヨタと共同開発したコンパクトカーである初代ブーンをベースに、最高出力133馬力を発揮する936cc直列4気筒DOHCターボエンジンが搭載されました。
駆動方式はフルタイム4WDを採用し、トランスミッションはクロスレシオの5速MTのみです。
外観では小ぶりなボンネット上に大型のエアダクトを設置し、ベーシックなコンパクトカーを戦闘マシンへと変貌させています。
足まわりでは前後スタビライザーを装着した強化サスペンション、機械式フロントLSDを搭載し、わずか980kgという軽量な車体により高い運動性能を誇り、実際にラリーやダートトライアルで好成績を残しました。
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