ロータス最後のエンジン車爆誕で振り返る! 日本でも有名なロータス車5選
映画で大ブレイクしたモデルと、新時代のロータスを象徴するモデルとは
●エスプリ
ロータスのモデルでFRのセブンと「エラン」(後にFFも登場)や、ミッドシップのヨーロッパがヒット作となりましたが、1976年に登場した「エスプリ」は、それまでのライトウェイトスポーツカーではなくGTカーとして開発されました。
エスプリは鋼板バックボーンフレームにFRP製ボディを搭載する、ロータスでは定番となっていた手法でつくられ、当初は2リッター直列4気筒エンジンをリアミッドシップに縦置きに搭載。
デザインは直線基調のキャビンとややラウンドしたボディを融合させた、GTカーらしい高級感とスピード感あふれるフォルムを実現しています。
当時、スーパーカーブームでエスプリも日本で紹介されましたが、映画「007私を愛したスパイ」で潜水艇にもなるボンドカーに採用されたことで、エスプリはヨーロッパと並んでロータス車のなかでも少年たちから人気のモデルとなりました。
また、エスプリは2004年まで生産された28年ものロングセラーで、大きくシリーズ1からシリーズ4まで分かれ、ボディも1987年に大幅な変更を受けた「X180」と呼ばれるモデルでは、角を丸めたモダンなデザインに変貌。トヨタと提携していたことからテールランプがAE86型「カローラレビン」のものを流用していたのは、有名なエピソードです。
エンジンも後に2リッターと2.2リッター直列4気筒ターボへと昇格し、さらに1996年には3.5リッターV型8気筒ツインターボとされ、最終的には350馬力を発揮しました。
●エリーゼ
前述のとおり、ロータスのモデルは軽量であることが使命で、たとえハイパワーなエンジンでなくても軽量な車体によって優れた走行性能を実現するというのがロータス車の美学といえます。
このコンセプトを受け継いで1996年に発売された新時代のスポーツカーが、「エリーゼ S1(シリーズ1)」です。
タルガトップとしたオープン2シーターのボディは全長3726mm×全幅1720mm×全高1200mmと非常にコンパクトなサイズで、外観は曲面で構成されるグラマラスなデザインを採用。ロー&ワイドなスタンスは古典的な面もありながら新時代のスポーツカーのフォルムを表現しています。
もっとも特徴的なのがシャシで前述のとおりアルミ製のバスタブ型を同社で初めて採用し、ボディパネルはロータスがもっとも得意とするFRP製とすることで、車重はわずか690kgを達成。
また、ヒーター以外の快適装備やエアバッグなどの安全装備は搭載されず、S1でも初期のモデルではアルミ製ブレーキディスクを採用するなど、ストイックなまで軽量化にこだわっていました。
当初、リアミッドシップに搭載されたエンジンはローバー製の1.8リッター直列4気筒DOHCで、最高出力は120馬力とローパワーですが加速性能は十分で、コーナリング性能の高さも折り紙付きです。
その後、エンジンはトヨタ製にスイッチされてパワーアップを図り、S2、S3とデザインのアップデートもおこなわれました。
さらに、快適装備や安全装備が充実したことでS1から次第に車重は増えていきましたが、それでも900kg前後に抑えられています。
エリーゼはすでに生産を終えていますが、ロータスの伝統的なコンセプトを受け継いだ集大成といえるモデルでした。
※ ※ ※
繰り返しになりますが、新型エミーラは内燃エンジンを搭載した最後のロータス車となる予定です。
一方で、ロータスのモデルはエンジンノイズや振動などが容赦なく室内に入ってくるモデルが多く、スポーツカーをドライブしていることをあらゆる感覚で感じとれます。
そうしたモデルこそロータスならではであり、やはりEV化は一抹の寂しさもありますが、きっと次世代のロータス車もすばらしいコーナリングマシンであることは普遍でしょう。
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