世界最高峰の電動バイクレース『MotoE』第4戦 大久保光選手は表彰台に迫る4番手走行もペースダウンで8位

電動バイクによるチャンピオンシップ『FIMエネルMotoEワールドカップ』第4戦オランダの決勝レースが2021年6月27日にTT・サーキット・アッセンで行なわれました。MotoEに参戦する唯一の日本人ライダー、大久保光選手は8位でレースを終えています。

順位が激しく入れ替わり、あっという間に決着するMotoE

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 電動バイクの世界選手権『MotoE(モト・イー)』第4戦は、MotoGP第9戦オランダGPに併催で行なわれました。TT・サーキット・アッセンでは、初のMotoEレース開催となります。

【画像】電動バイクレース『MotoE』第4戦オランダの様子を見る(6枚)

MotoEに参戦する唯一の日本人ライダー、大久保光選手(#78)

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 第4戦でポールポジションを獲得したのはエリック・グラナド選手。グラナド選手は開幕戦から第4戦まで、雨の予選となった第2戦フランスを含め、4戦連続でポールポジションを獲得しました。大久保選手は10番グリッドを獲得し、4列目からのスタートとなりました。

 決勝レースは7周で行なわれました。スタートでは大久保選手が巧みな位置取りで1コーナーにアウトから進入すると、一気に3番手付近にポジションを上げます。続くコーナーでポジションを落としたものの、大久保選手は6番手を走行。ポジションを争っていたドミニケ・エガーター選手が1周目の16コーナーで転倒すると、5番手に浮上しました。大久保選手はその後、3周目に4番手のライダーを交わしてさらにポジションを上げます。

 MotoEは少ない周回数で争われる、超スプリントレースです。3周目といってもすでにレースは中盤。大久保選手は1番手から3番手までのライダーから離されずに走行を続けていました。

全7周のレース序盤、大久保選手(#78)は4番手を走行

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 4周目1コーナーで、ポールポジションスタートのエリック・グラナド選手が、ここまでトップを走ってきたアレッサンドロ・ザッコーネ選手を交わし、トップが入れ替わります。その後、グラナド選手は安定したペースを刻みながらトップを維持し、2番手以下のライダーとの差を広げ始めました。

 MotoEは、すべてのライダーが『Energica Motor Company(エネルジカ・モーターカンパニー)』の『Ego Corsa(エゴ・コルサ)』という電動レーサーで争われるチャンピオンシップです。レギュレーションにより、バイクについて変更できるところも多くはありません。したがって、ライダー自身の速さを示すことができるレースとも言えるのです。

 その「エゴ・コルサ」を駆り、グラナド選手は少しずつ、2番手以下のライダーとの差を広げ始めていました。

 一方、最終ラップで激戦を繰り広げたのが2番手争いでした。10コーナーで2番手を走るジョルディ・トーレス選手のインに、3番手のザッコーネ選手が飛び込みます。「エゴ・コルサ」の車両重量262kgをものともせず、ザッコーネ選手は激しいブレーキングを見せます。しかし続く11コーナーでは、トーレス選手がザッコーネ選手をパス。このとき、コーナー立ち上がりでイン側に位置を占めていたトーレス選手がややアウトにはらみ、トーレス選手の左足と、アウト側にいたザッコーネ選手の右腕が接触。この接触でザッコーネ選手のバイクが大きく挙動を乱して加速が鈍り、トーレス選手の先行を許す形となりました。

トーレス選手(#40)のすぐ背後にはザッコーネ選手がいる。この2人が最終ラップで激しいポジション争いを展開した

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 グラナド選手はそのままトップを維持し、チェッカーを受けました。グラナド選手にとっては今季2勝目となります。2位は2020年シーズンのMotoEチャンピオン、トーレス選手。チャンピオンシップでランキングトップにつけるザッコーネ選手が3位でした。

 最終ラップでの激しいポジション争いについて、決勝レース後の会見の中でトーレス選手が「最終ラップでアレッサンドロが限界ぎりぎりで僕を交わした。でも僕はポジションを奪い返そうと頑張った。ちょっと(そのやり方が)汚かったけどね(笑)」と話すと、ザッコーネ選手もその交わし方について「彼は厳しく僕をパス……(笑)」とコメント。トーレス選手は「そこは謝るよ!」と返し、互いの健闘を認め合っていた様子でした。

 大久保選手は4周目まで4番手を走行していたものの、5周目以降にラップタイムを落とし、最終的に8位という結果でした。

大久保光選手(Avant Ajo MotoE)。電動レーサー「エゴ・コルサ」に適応するためライディングスタイルの変更に取り組んでいる

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 次戦はMotoGP第10戦オーストリアGPに併催で行なわれる第5戦レッドブル・リンクでの開催です。MotoEの2021年シーズンは残すところ2戦3レースとなります。MotoEは、MotoGP.comの有料ビデオパスを購入することで、予選、決勝レースが視聴可能となっています。

■MotoEとは……

 MotoEは、2019年にスタートした電動バイクによるチャンピオンシップです。MotoGPのヨーロッパ開催グランプリのうち数戦に併催されており、2021年シーズンは開幕戦スペインを含む6戦7レース(最終戦は2レース開催)が予定されています。すべてのMotoEライダーが走らせるマシンはイタリアの電動バイクメーカー『Energica Motor Company(エネルジカ・モーターカンパニー)』の電動レーサー『Ego Corsa(エゴ・コルサ)』。タイヤはミシュランです。2021年のMotoEには11チーム18名のライダーが参戦しており、16歳の若手ライダーから元MotoGPライダーまで、様々な経歴を持つライダーが参戦。日本人初のMotoEライダーとなる大久保光選手がエントリーしていることでも注目を集めています。

提供:バイクのニュース


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