約45万円の新型車が日本初公開! 安すぎる小型EV「宏光 MINI」 なぜ日本のイベントに展示された?
日本の「軽」市場は戦々恐々か? なぜ日本で展示?
宏光MINI EVは、現時点では日本では販売されていません。それが今回、日本で開催されるイベントで展示されることとなったのです。どういった経緯で展示されることになったのでしょうか。
今回、宏光MINI EVが展示されている「TECHNO-FRONTIER 2021」の主催団体一般社団法人日本能率協会によると、今回の展示はこのイベントの出展企業や上汽通用五菱は一切関与しておらず、主催者自体が企画したものです。
小さな電子部品が集まって作られる究極の完成体が電気自動車ということと、イベントのターゲットである日本のエンジニアに中国でもっとも売れている小型EVを見てもらうことで、何かのインスピレーションに繋がればという想いで展示されることになりました。
展示の企画自体は2021年2月、3月に立ち上がりましたが、実際に現実味を帯びたのはつい最近の5月、6月に入ってからとのことです。
展示車は現地のエージェントが一般のディーラーで購入し、そこから船で日本に輸送された形となります。
たびたび話題となっている中国製の格安超小型EVが日本で初公開されるということもあってか、来場者からの注目は高いそうです。実際、筆者が取材に訪れた際も多くの来場者に囲まれていました。
では肝心の質感はどうでしょうか。実際に運転はできないものの、ドアの開け閉めや、室内への乗車をおこなってみました。
クルマ自体は、超小型な車体を持ちながらも4人乗りとなっていますが、大人4人での長時間の移動となると少々厳しいところがあります。
しかし、左右のドア開口部は非常に広く、乗り降りがしやすい印象を受けました。これはリアシートへのアクセスをしやすくする狙いもあるでしょう。
筆者は身長187cmということもあり、運転席や助手席に座ってみると、リアモストでもわずかながら窮屈さを感じますが、大抵の人は問題ないでしょう。

しかし、リアシートは座面の位置が高く、フロントシートとの空間もわずかなため、大柄な大人が座るには難があります。
そのかわり、後ろにはチャイルドシートを固定するためのISOFIXの金具があるため、リアシートには子供を乗せるのが理想的だと思われます。
トランクスペースは非常に狭く、大人4人フル乗車の状態での積載量にはあまり期待はできません。
ですが、リアシートはフルフラットにできるので、そうすることでより多くの荷物を積むことが可能です。
ちなみに、通常は車体底部に搭載されているバッテリーですが、今回の展示では安全上の理由により取り外された状態となっています。
車体自体のクオリティは、日本の一般的な軽自動車よりも簡素な作りとなっており、価格相応という点が感じられます。
この宏光MINI EVは今回のイベント終了後、名古屋大学の山本真義教授率いるパワーエレクトロニクス研究室が同大学のエネルギー変換エレクトロニクス研究館(C-TECs)にて、6月28日から7月末まで展示されるそうです。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。






























