トヨタ新型300系「ハイエース」なぜ日本に? 世界で1台の最強FCVキッチンカーの開発理由とは
新型ハイエースやFCVは発売する? 将来に期待大の今後の行方は?
トヨタが新たに開発したハイエースFCVは、2021年6月時点でナンバー取得済みの試作車が1台あるのみですが、どのような経緯で開発され、今後の展開はどのような予定なのでしょうか。
前述の2019年にフィリピンでおこなわれた新型ハイエース(300系)の発表時にトヨタは、「市場環境が異なる日本においては、従来モデルのハイエースを継続していきます」と説明していました。
そうしたなかで、新型ハイエースFCVが開発された背景について、前出の開発担当者は次のように説明しています。
「FC技術(システム)の特徴である高い発電性能を活かしたFCEVの活用の一環としてFCが作る電気を通じて、『お客さまのお役に立て貢献できることがないか、』考えて製作しました。
キッチンカーに関しては、どのような場所でも環境面に配慮して温かいご飯が食べられるという部分で、災害時などの面も含めて計画されました。
今後はさまざまな機会で、色々な人々に使っていただき、ご意見を伺いながら、今後の開発に活かしていきたいと思っています。
また、商品化については、今のところ予定はありませんが、今後の評価を踏まえて検討していきます」
一方で、前出のトイファクトリーの藤井昭文社長は、次のように話しています。
「これまで多くの200系ハイエースをベースしたキャンピングカーを製作してきました。
今回、トヨタからお声掛けをいただき300系ハイエース(FCV)のキッチンカーを製作することになり、キャンピングカー業界の今後が見えました。
現在のキッチンカーはガソリン/ディーゼルとなり、別途発電機や外部からの給電で電気を使っていました。
このような場合、電気を使用するにはエンジンや発電機の騒音や排気ガスが課題となっていたほか、使用できる電気の量にも制限があるなど課題は多くありました。
しかし、今回のハイエースFCVの場合では、IHやレンジ、炊飯器などを同時に使えるうえに、騒音・排気ガスも出ません。
そうしたこともあり、キャンピングカーとFCVの相性は非常に良いともいえることから、早い段階で商品化されることを期待しています」
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今回、開発されたFCV仕様は新型ハイエース以外に「グランエース」をベースとした「移動式オフィス」や、「コースター」ベースの「平常時及び災害時に利活用できるFC医療車」など全4種類が存在しています。
トヨタは、さまざまな分野でFCVの実用性を確認するとともに、カーボンニュートラルの実現を目指しており、水素社会の実現に向けて全力で展開しているようです。
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