いま流行の2トーンカラーはリバイバル? 昭和の2トーンカラー車5選
近年、軽自動車やコンパクトカーを中心に、ルーフやドアから上のキャビンを車体色と異なるカラーで仕上げる2トーンカラーが流行しています。この2トーンカラーは古くからおこなわれており、昭和の時代にも流行しました。そこで、昭和の2トーンカラー車を5車種ピックアップして紹介します。
昭和の時代に見られた2トーンカラーのクルマを振り返る
クルマを購入するときに、多くの人が悩むのはカラーリングではないでしょうか。クルマのボディカラーには流行があり、かつてはホワイトやガンメタ、シルバーなどが人気で、流行には世相も大きく影響するといわれています。
また近年、軽自動車やコンパクトカーを中心に広まっているのが2トーンカラーで、ルーフやドアから上のキャビンを車体色と異なるカラーで仕上げることでより見た目の印象が変わり、有償オプションながら人気となっています。
この2トーンカラーはかなり長い歴史があり、かつては高級車を中心に多く見られましたが1970年代以降は幅広い車種でも2トーンカラーが採用されました。
さらに2トーンカラーにはいくつの種類が存在し、高級感だけなくスポーティさや外観のアクセントとなるなどさまざまです。
そこで、昭和の時代に流行した2トーンカラー車を、5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「カローラレビン/スプリンタートレノ」
現在ネオクラシックカー人気が世界中で高まっていますが、それ以前から日本の愛好家を中心に人気なのがトヨタ「カローラレビン/スプリンタートレノ」です。
初代の誕生は1972年で、トップグレードには高性能なDOHCエンジンが搭載され、軽量な車体に比較的安価な価格から、スポーツドライビング好きの若者から絶大な支持を得ました。
その後も同様なコンセプトで代を重ね、1983年に登場したのが4代目で最後のFR車である「AE86型 カローラレビン/スプリンタートレノ」です。
このレビン/トレノでは、発売当初はトップグレードの「GT-APEX」のみ2トーンカラーが選べました(後に他のグレードにも展開)。
まず前後バンパーの上端部分が車体色で下はブラックのままで、そのラインに合せてボディサイドもブラックに塗装され、さらにその数センチ上とフェンダーアーチをつなぐようにブラックに塗装し、リアフェンダーから後部にもブラックのラインがコの字型に入ります。
ボディ下部を暗色系で塗装することで全体が引き締まって見えることから、日産「R30型 スカイライン」なども早期に採用していましたが、AE86型では1本ラインを加えたことで一層シャープな印象です。
ちなみにホワイトのボディをベースにした2トーンカラーのAE86型は「パンダ(カラー)」と呼ばれ、人気漫画の「頭文字D」の影響でこの呼び方が浸透したといえるでしょう。
●日産「フェアレディZ」
日本を代表するスポーツカーの日産「フェアレディZ」は1969年に初代が誕生しました。次期型の7代目が2021年8月にデビューするとみられ、再び大いに話題となっています。
このフェアレディZでは1978年に登場した2代目の「S130型」において「マンハッタンカラー」と呼ばれる2トーンカラーがオプションで設定。
マンハッタンカラーはもともと限定車のみに設定された2トーンカラーなのですが、1980年のマイナーチェンジでTバールーフの設定と同時に有償オプションとなりました。
当初はブラックもしくはブルーのボディカラーをベースに、ボンネットとフェンダーの上部、それとドアの上端部分をシルバーで塗装され、よりロングノーズが際立つような印象です。
さらに後期のモデルではシルバーのボディカラーをベースにブラックのアクセントを塗装した、通常のマンハッタンカラーと色を入れ替えた、通称「逆マンハッタンカラー」も設定されました。
他にも、北米向けダットサン「280ZX」の限定モデル「280ZX 10th Anniversary」では、ゴールドベースとレッドベースにブラックのアクセントとしたマンハッタンカラーもあり、日本のZファンには垂涎の的となっています。
なお、マンハッタンカラーはS130型のみの設定で、次世代のZ31型ではボディの下部を塗り分けるだけの2トーンカラーとされました。
●トヨタ「ソアラ」
トヨタの歴史に燦然と輝くスペシャリティカーとして、1981年に誕生した「ソアラ」があります。現在のレクサス「LC」のルーツといえる存在で、初代のトップグレードである「2800GTエクストラ」は当時の若者の憧れの存在であり、「ハイソカー」の頂点に君臨しました。
この初代ソアラの2800GTエクストラで象徴的なカラーが「ホリゾンタルトーニング」と名付けられたゴールドの塗装で、ヘッドライト下部のラインから下はボディ全周にわたって濃いめのブラウンに塗り分けられました。
同系色の2トーンカラーは見るからにゴージャスな印象で、さらにホイールのメッシュも同系色とされるなど、ソアラのイメージカラーといえるでしょう。
ボディ下部を塗り分ける手法は多くの高級車も採用し輸入車ではメルセデス・ベンツ「Sクラス(W126型)」、国産車ではトヨタ「クラウン」などが積極的に採用していました。
ちなみに初代ソアラではサンルーフとのセットオプションで、後部座席上部のルーフとリアピラーをホワイトのビニールレザーで覆う「ランドゥトップ」が設定され、アメリカの高級2ドアクーペをイメージさせるアイテムですがまず見かけることはありませんでした。
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