全面刷新のトヨタ新型「ランドクルーザー」は何が変わった? カーボンニュートラルに向けた「ランクル70年目」の挑戦とは

2021年6月10日、トヨタは今年70年目を迎えた「ランドクルーザー」を14年ぶりに全面刷新し、新型ランドクルーザー(300系)を世界初公開しました。あらゆる部分が進化しているなかで、トヨタは常日頃から「カーボンニュートラルが目的」と明言しています。そうした状況下で新型ランドクルーザーでは新開発のガソリン車/ディーゼル車という一見するとカーボンニュートラルに寄せていないパワートレインのみしか設定されていない印象を受けますが、新型ランドクルーザーにはトヨタが誇るハイブリッド車などは設定されなかったのでしょうか。また6月10日現在、価格や全グレード体系については未発表となっています。

14年ぶりの全面刷新! 新型ランクルが進化した部分とは?

 現在、世界的にクロスオーバーSUVブームですが、肝心なオフロード性能は“プラスα”というモデルが多いのも事実です。
 
 道路環境が整備される日本を含めた先進国はいいですが、世界を見渡すとまだまだ道路事情が悪い国もたくさんあります。さらにはクルマが壊れてしまうと命の危険に晒されてしまう国や地域も存在します。
 
 そんな過酷な条件下で絶大なる支持を得ているモデルといえば、トヨタ「ランドクルーザー」(以下ランクル)でしょう。

70年目という節目にフルモデルチェンジを遂げたトヨタ新型「ランドクルーザー(300系)」。どのような部分が進化したのか?(画像はニュージーランドで公開された仕様)
70年目という節目にフルモデルチェンジを遂げたトヨタ新型「ランドクルーザー(300系)」。どのような部分が進化したのか?(画像はニュージーランドで公開された仕様)

 TVで世界の“秘境”を旅する番組、アフリカや中東地域、アジア山岳地域に密着したドキュメンタリー、さらには紛争地域や武装地域からのニュースには、必ずランクルの姿を見かけます。

 そんなランクルは1951年に警察予備隊向けの機動車からスタートし2021年で70年、トヨタでもっとも長い歴史を持つモデルとして世界累計生産1040万台、年間30万台以上のモデルが世界170の国と地域で活躍しています。

 ランクルと名が付くすべてのモデルの開発思想は、世界中のあらゆるところで使われることを想定し、もっと厳しい基準を持ってクルマ作りをおこなうことです。

「道なき道でも自由に走れる」、「命・荷物を運ぶために壊れない。もし壊れても何とかして必ず帰ってくることができる」、それはすべてのクルマ作りの基本ともいってもいいでしょう。

 トヨタの豊田章男社長は「ランクルは『世界の命を守るクルマ』であり、トヨタにあるロングセラーのなかの大事な1台」と語っています。

 登場以来、さまざまな用途やニーズに合わせ進化をしてきたランクルですが、そのなかでも四駆のレジャー用途に合わせて、「ヘビーデューティ系」の40系から派生したモデルが「ステーションワゴン系」です。

 1967年に登場したランクル55系から、60系、80系、100系、200系と伝統のオフロード性能に加えて、プレステージ性を引き上げたモデルに成長。世界的にも「King of 4WD」と認められている1台です。

 現行モデルの200系が2007年に登場してから14年が経過、現在も高い人気を誇っていますが、豊田章男社長は「ロングセラーだからこそ、変わらなければならない」、「次世代に向けて生き残る必要がある」と語っています。

 そんななか、ランクルをもっとも必要とする中東にて「300系」と呼ばれる新型モデルが世界初公開されました。

 開発の陣頭指揮は「Mr.ランクル」と呼ばれる小鑓貞嘉氏からバトンを受け継いだ、若き40代のチーフエンジニア・横尾貴己氏で、300系について次のように語っています。

「開発時に掲げたのは『世代が変わってもランクルでなければいけない』でした。

 ランクルのキーワードは『耐久』、『信頼』、『悪路走破性』ですが、それが故にほかの部分に課題があったのも事実です。

 さらにより厳しくなる環境規制や衝突要件もクリアしなければいけません。

 それらをすべてクリアするために300系が選んだ道は『素性の刷新』でした」

※ ※ ※

 そこで300系は、ランクル伝統の「フレーム構造」と80系からの黄金比となる「ホイールベース」を継承しながら、TNGAに基づいた新プラットフォーム、新パワートレイン、内外装デザインを含め、長年に渡る技術の組み合わせと最新技術を融合しています。

 エクステリアは200系に対して、よりボクシー、より堂々と、よりドッシリ構えたスタイリングが特徴となっています。

 通常モデルは大型のメッキグリル採用などで煌びやかに感じますが、各部を見ていくとオフロード走行時のダメージを受けにくいランプ位置やバンパー構造などは、機能性を考慮したデザインになっているのが解ります。

 一方、新設定のGRスポーツは、TOYOTAエンブレム+ハニカムグリル採用のフロント周り、各部のブラックアウト化、通常モデルよりも小径タイヤの採用などにより、シンプルながらもスポーツ系らしい精悍な印象です。

 パッと見、ボディサイズが大きくなっているように思えますが、実際は全長×全幅、ホイールベース、ディパーチャー・アプローチアングルは200系を踏襲しています(200系:全長4950mm×全幅1980mm×全高1870-1880mm、ホイールベース2850mm)。

 インテリアは最新のトヨタデザインが採用され質感も大きく引き上げられていますが、スイッチが多く情報過多な印象が強い200系に対して300系はシンプルになっています。

 悪路走破時にも姿勢が捉えやすい水平基調のインパネや直感操作が可能なスイッチ類など、機能を優先したレイアウトなのは「ランクルらしいな」と感じました。

 ちなみに200系では前席に比べるとやや我慢を強いられたリアシートの快適性がどこまで向上しているかも気になるところです(5人乗り/7人乗りが選択可能)。

 また、グローバルで公開されている300系の解説動画では、ドアハンドルに触れると個々のシートポジションを自動で設定する機能や、スタートボタンでエンジンを始動する際に指紋認証をおこなう様子が紹介されています。

 もしかすると、盗難被害に遭いやすいランクルの新たな対策なのかもしれません。

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4件のコメント

  1. 富裕層のこの車の使われ方見とったら地球環境に最悪😞⤵️⤵️今贅沢を止める発想を出来るのはトヨタなんやけど💦

  2. ランドクルーザーは、私が寝ている間に海の向こうの一度も行った事が無い国に家出をして、死んでしまったのか二度と帰って来ません。家を出て生きて帰って来られると言うのは、場合によっては間違いです。

  3. 今回マジでツインターボガソリンもいいしディーゼルもいい、GRグリル一択だが必要なのは堅牢なガレージとお金だけ

  4. このクルマもオラつきまくってイメージ悪くなるんだろうなぁ
    トヨタ車は本当にいいイメージがない。

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