ゴージャスすぎるロールス・ロイス5選 グランピングできそうなスペシャルモデルとは
ゴージャスすぎるロールス・ロイスのワンオフモデルたち
コラボレーションは、時代を問わず常にボディ製作の中核をなす。完璧なクルマを想像するには、顧客と設計者や製造スペシャリストと協力して、技術的に達成可能な最終設計を作成したのち、コーチワークは顧客が満足することでようやくの完成を見る。
●Phantom II Continental Drophead Coupe (1934)
この1934年の「ファントムIIコンチネンタル・ドロップヘッドクーペ」は、A.F.マクニールによってデザインされ、ロンドンの「ガーニー・ナッティング」によって製造されたもの。これまでに作成された「ボート・テイル」スタイルのコーチワークのなかでも、もっともエキゾチックで美しくバランスの取れた作例のひとつと見なされている。
テールエンドに向けてスイープする凹状のカーブは、ニス仕上げの後部デッキの「レザーエッジ」に向かって上向きに上昇。時の試練に耐えてきたデザインは、スポーツエレガンスの好例であり続けている。
蛇足ながら、若き日にガーニー・ナッティングでマクニールの薫陶を受けたスタイリスト、ジョン・ブラッチリーは、のちにロールス・ロイス本社に移籍。1950年代にベントレー「Rタイプ・コンチネンタル」やR-R「シルヴァークラウド/シルヴァーシャドウ」のデザインワークを大成功させたことから、現在では「R-R/ベントレー・デザインの父」として、ロールス・ロイスおよびベントレー双方の現役デザイナーたちから尊敬を一身に集めている。
●Phantom VI limousine (1972)
「ファントムVI」は、シャシ/ボディ別体で構築された最後のロールス・ロイスモデルであり、コーチビルダーによる芸術のスワン・ソングとなった。
このボディは、もともと前身にあたる「ファントムV」として、ロールス・ロイスの完全子会社であったパークウォードによってデザイン・開発されたもの。パークウォードとH.J.マリナーが合併したことから、ファントムVI時代には「マリナー・パークウォード」名義とされる。
現代のR-R「ビスポーク・コレクションカー」のように、一応はスタンダードボディに基づいているものの、すべての車両が顧客によって指定された仕様で製作されていた。
すべての車両が特別中の特別であったため、R-R社では量産モデルとは別の専用パンフレットを作成し、スペシャルオーダーできる範囲の広さを強調した。
当時としては最先端のオーディオやテレビシステム、ワインやピクニック用食品を冷やすための冷蔵庫に加えて、後席には花瓶や丸みを帯びたウォールナットのピクニックテーブルを装備することもできた。
このテーブルはトランクに収納できるほか、アウトドアでピクニックをするために、フロントフェンダーに固定できるように設えるオーダーも可能だった。
●Sweptail (2017)
ロールス・ロイス社は、1920年代および1930年代の美しい車体製造のスペシャルコーチビルド車に触発された、大型のパノラマ・グラスルーフを備えた2人乗りクーペの作成を、さるR-R愛好家から2013年に依頼された。
現代のフル・オーダーメイド車両第1号となったロールス・ロイスであるこのクルマの特徴は、裾を引いたようなリアのプロフィールにある。ルーフラインは中央のブレーキライトを収容する「弾丸の先端」に向かってスイープジェスチャーで収束する。
ボディワークは、まるでレーシングヨットの船体のように表面に目に見える境界がなく、ボディ下部まで包みこむ。その車体下側は、リアエンドに向かって緩やかに上昇するラインを描き、このクルマの名前の由来となった「スウェプテイル」を生成する。
開発スタートから4年後、2017年に発表されたとき、スウェプテイルはすっきりとしたラインと壮大さ、そして現代的でミニマリストな手作りのインテリアで国際的なセンセーションを巻き起こした。さらに4年の歳月を経た今でも、真のモダンクラシック、そして世界最大の2人乗りコンチネンタル・ツアラーと見なされている。
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