トヨタ「GRヤリス」サブスク限定車は自分好みに進化!? トヨタとキントが仕掛ける新車ビジネスとは?
トヨタは、「GRヤリス」のサブスクリプション限定モデルとして「モリゾウセレクション」の取り扱いを開始しました。「アップデート/パーソナライズ」と「KINTO」をキーワードに、どのようなビジネスモデルが展開されるのでしょうか。
「GRヤリス“モリゾウセレクション”」がKINTOに登場
トヨタは「GRヤリス“モリゾウセレクション”」を2021年6月7日に発表し、サブスクリプションのKINTO限定で取り扱いを始めました。
GRヤリスといえば、WRCやスーパー耐久シリーズなどに参戦するスポーツモデルです。
またモリゾウとは、いわずと知れたトヨタ自動車 豊田章男社長の“仮の姿”。GRヤリスに加えて、2021年6月に富士スピードウェイで開催された24時間レースで、レーサーとしてのモリゾウ選手が世界初の水素エンジンを搭載した「カローラスポーツ」のハンドルを握ったことが大きなニュースになったばかりです。
こうしたタイミングでGRブランドからモリゾウセレクションを名乗る限定モデルが登場するのはなんとなく理解できるのですが、同モデルのオンライン記者会見でトヨタ幹部の説明を聞いているとどうやらこの話はもっと奥が深いように思えます。
モータースポーツはあくまでもきっかけであり、トヨタが近未来に直面する大きな時代変化に向けた挑戦がこれから一気に動き出そうとしていることがわかってきました。
この話には大きくふたつの領域があり、ひとつは技術的なことで、キーワードは「アップデート/パーソナライズ」。もうひとつはサブスクリプションによる「所有から利用への転換」です。
まず「アップデート」とは、クルマの機能をソフトウェアのプログラムによって最新化することを指します。
ソフトウェアのアップデートといえば、カーナビの地図情報の最新化に馴染みがあるでしょう。
またマツダは、2021年2月から「マツダ3」と「CX-30」を皮切りに、クルマの走行性能に係るソフトウェアップデートのサービスを始めています。
具体的にはエンジンやオートマチックトランスミッション、「マツダ・レーザー・クルーズ・コントロール(MRCC)」などの制御プログラムを最新化する「MAZDA SPIRIT UPGRADE」を開始しました。
マツダのアップデートは、ユーザーが販売店にクルマを持ち込み、販売店のメカニックが手作業でおこなうというものです。
海外の事例では、テスラがOTA(オン・ザ・エア)と呼ばれる通信を使ってソフトウェアのアップデートをおこなっており、欧米や日系メーカーもその動きに追随している状況です。
クルマのソフトウェアのアップデート自体は珍しいことではないのですが、今回のトヨタの試みはアップデートに「パーソナライズ」を加えたことが大きな特徴となります。
つまり、ユーザーひとりひとりの運転特性をデータ収集・解析したうえで、たとえば「サーキット走行をもっと楽しみたい」とか「普段の運転での疲れを少なくしたい」といったユーザーの要望に応じて、アクセル開度に対するエンジンのパワー特性やトルク特性を変えたり、パワーステアリングの重さを変えたりなど、ソフトウェアをアップデートするのです。
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