馴染みの車なのに日本未発売? 海外専用のイカしたモデル3選
日本のメーカーは世界中でクルマを販売していますが、海外専用のモデルが数多く存在します。一方、日本と同じモデルながら日本では展開されていないグレードもあります。そこで、馴染みのクルマだけど国内では販売されなかったモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
日本では展開されていないイケてるモデルを振り返る
日本の自動車メーカーは1960年代に海外進出を始めると1970年代には輸出が本格化し、1980年代からは現地生産を開始しました。
当初は日本で販売しているモデルと同じ車種を海外向けにも展開していましたが、次第に海外のニーズに合った海外専用車を開発するようになります。
現在は海外専用車と同時に一部は国内のモデルと同じ車種が販売されていますが、日本でも馴染みのクルマでも海外向けに特化したグレードや、特別な限定車を販売しているケースも存在。
そこで、アメリカでのみ販売された日本車を、3車種ピックアップして紹介します。
●スバル「S209」
スバルのモータースポーツ活動をサポートするスバルテクニカインターナショナル(以下、STI)は、これまで数多くの高性能なコンプリートカーを手掛けてきました。
日本で販売されたSTIのコンプリートカーのなかでも、近年、争奪戦が繰り広げられたのが「WRX STI」をベースにした2017年発売の「S208」と2018年発売の「TYPE RA-R」があり、その後WRX STIの生産が終了したことから、TYPE RA-R以降は2020年に登場した「WRX S4 STI Sport♯」が現状では最後のコンプリートカーです。
ところが、アメリカ向けコンプリートカーとして、2019年にWRX STIベースの「S209」が209台限定で販売されました。
エンジンはアメリカ仕様のWRX STIに搭載された2.5リッター水平対向4気筒ターボ「EJ25型」をベースに、大型エアクリーナーや専用吸気ダクト、大径ターボチャージャー、専用設計の低背圧マフラー、専用ECUなどによるチューニングで最高出力は341hpを発揮。組み合わされるトランスミッションは6速MTのみです。
外観ではカナード一体型フロントオーバーフェンダーとリアオーバーフェンダーが装着され、ボディサイズは全長4620mm×全幅1839mm×全高1475mmとベース車に対して全幅が44mmワイド化されています。
また、専用の前後アンダースポイラーとドライカーボン製の大型リアウイングが追加され、車高のローダウン化と専用の19インチホイールが相まって、より戦闘的なスタイルに変貌。
ほかにもカーボン製ルーフなどによる軽量化とボディ剛性の向上、足まわりではビルシュタイン製ダンパーに強化されたコイルスプリングとブッシュが採用されたことで、コーナリング性能も高められています。
S209は発売されると即完売し、日本でも販売してほしいというリクエストも寄せられたようですが、実現することはありませんでした。
●ホンダ「アコード スポーツ 2.0T」
1976年に、ホンダは好調な販売を続けていた初代「シビック」に続き、ワンランク上のモデルとして初代「アコード」を発売。
その後、1982年に登場した2代目アコードは、他メーカーに先駆けて米オハイオ州メアリーズビル工場で生産を開始。2017年に発表された現行モデル10代目は日本でも2020年2月に発売されました。
10代目アコードは2018年には北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したほど高く評価されており、シビックと並ぶホンダのベストセラーセダンです。
国内仕様は2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載したモデルのみですが、北米仕様には最高出力252hpを発揮する2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載した、高性能な「2.0T」シリーズがラインナップされています。
さらに2.0Tシリーズには「スポーツ」と「ツーリング」の2グレードが設定され、2020年モデルのスポーツには新開発の10速ATに加えて6速MTを設定。しかし、2021年モデルで6速MT車は廃止となってしまい、現在はATのみです。
伸びやかなクーペフォルムの10代目アコードはスタンダードモデルでも十分にスタイリッシュといえますが、スポーツグレードでは小ぶりなリアスポイラーと19インチホイールによって、よりスポーティに演出されています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。