えっ!? フルモデルチェンジしたよね? パッと見で先代と見分けがつかない車5選
新型車が登場すると、数年後にはフルモデルチェンジをおこなうか消滅するか、メーカーは二者択一の決断が迫られます。概ね好調なセールスを記録しているモデルはフルモデルチェンジをおこなうのが通例ですが、なかには新型とは思えないほど変わらないケースも存在。そこで、パッと見で先代と見分けがつかないようなモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
フルモデルチェンジでも外観をキープしたクルマを振り返る
各メーカーは毎年のように新型車をリリースしますが、登場から一定の期間を過ぎると、フルモデルチェンジをおこなうか、もしくはそのまま生産を終えてラインナップから消滅するか選択が迫られます。
比較的販売が好調なモデルではフルモデルチェンジをおこないますが、そのスパンは販売状況やライバル車の存在などによって決まるといえるでしょう。
かつては4年から6年、現在は6年から8年というのがフルモデルチェンジのサイクルですが、稀に3年や10年以上でフルモデルチェンジがおこなわれるクルマもあります。
フルモデルチェンジがおこなわれると、内外装のデザインやシャシ、エンジンや足まわりが刷新されるのが一般的ですが、外観デザインだけが刷新されるケースなど、車種によってさまざまです。
一方、フルモデルチェンジしたにもかかわらず、外観デザインがほとんど変わっていないように見えるモデルも存在。
そこで、フルモデルチェンジしたにも関わらず、パッと見で先代と見分けがつかないようなモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
●ホンダ「N-ONE」
ホンダは1967年に同社初の軽乗用車「N360」を発売しました。31馬力という当時としては異例のハイパワーなエンジンを搭載し、安価な価格とFFを採用した広い室内などによって、N360は若者を中心に大ヒットしました。
このN360のデザインをオマージュし、2012年に誕生したのが初代「N-ONE」です。
外観はN-360の特徴的な丸目のフロントフェイスと台形フォルムを再現したかたちのトールワゴンで、ホンダの軽自動車ラインナップのなかでもベーシックカーという位置付けで開発されました。
そして、2020年11月に2代目へとフルモデルチェンジがおこなわれ、シャシやエンジン、内装は刷新されましたが、外観は初代のシルエットを継承してフロントフェイスの意匠も大きくは変わっていません。
ただし、安全運転支援システムの大幅な強化や、スポーツグレードの「RS」はFF軽自動車では初となる6速MTとターボエンジンを組み合わせるなど、内容的にはかなり進化したといえます。
●スバル「インプレッサ」
スバルは1989年に誕生した初代「レガシィ」のヒットを受け、さらにコンパクトなセダン/ステーションワゴンの初代「インプレッサ」を1992年に発売。
トップグレードの「インプレッサ WRX」にはハイパワーなターボエンジンにフルタイム4WDを組み合わせ、世界ラリー選手権(WRC)でも活躍し、インプレッサはスポーティモデルとしてのイメージを確立しました。
その後、2代目、3代目ともにWRCで活躍したインプレッサでしたが、スバルは2009年にワークス体制によるWRC参戦を終了。
2011年に登場した4代目からはインプレッサの象徴である高性能モデルはスバル「WRX」として独立させ、ラインナップは4ドアセダンの「インプレッサ G4」、5ドアハッチバックの「インプレッサ スポーツ」で、自然吸気エンジンのみのベーシックなモデルへと移行しました。
そして、2016年に現行モデルである5代目が登場。コンセプトは4代目と変わらずベーシックカーで、ラインナップもセダンとハッチバックを継承しています。
また、フロントフェイスも先代のイメージを受け継いでおり、パッと見は大きな変化はありませんでした。
しかし、2019年にビッグマイナーチェンジがおこなわれて、より精悍なフロントフェイスとなり、現在は先代と区別できるようになっています。
かつてインプレッサは、2代目でフロントフェイスを2回も大変更するマイナーチェンジをおこなった経緯がありながら、4代目と5代目がほとんど変わらないという、珍しいモデルといえます。
●トヨタ「セルシオ」
1980年代の後半、日本は好景気にわいており、いわゆるバブル景気によって高級車が飛ぶように売れました。そうした状況の先陣を切ったのが1988年に登場した日産初代「シーマ」ですが、トヨタも1989年にこれまでにない品質のプレステージセダン、初代「セルシオ」を発売しました。
セルシオは同社の高級車「クラウン」と「センチュリー」の間に位置するパーソナルセダンとして開発。同時にアメリカで立ち上がったレクサスブランドの初代「LS」としても販売されました。
ボディサイズは全長4995mm×全幅1820mm×全高1400mmとクラウンよりもひとまわり大きく、外観も高級車らしい押し出し感を強調したグリルを装着するフロントフェイスを採用。
搭載されたエンジンは最高出力260馬力を発揮する4リッターV型8気筒DOHCで、非常に高い静粛性を実現しました。
そして1994年に2代目へとフルモデルチェンジがおこなわれましたが、これぞキープコンセプトというほど、変わっていない印象でした。
しかも、フロントフェイスだけでなく、サイドビューやテールまわりも明確に変わった印象がなく、判別は細部のデザインを確認する必要があったほどです。
さすがにトヨタも変わらなすぎだと判断したのか、1997年のマイナーチェンジでフロントフェイスが一新され、後期型に移行しました。
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