イタ車を売るためにヨガ その緻密な販売戦略
東京都渋谷区の高級住宅街、松濤。そこに店舗を構えるフィアット/アルファロメオ松濤は、単純に自動車を販売するだけでなくカフェを併設しているほか、ヨガやフラメンコ、トークショー、ジャズライブなど様々なイベントを実施しています。そこには「イタリア車を売る」にあたっての、緻密な販売戦略がありました。
イタリア車が好きな人、その特徴とは?
山手通り沿いという好立地にあるフィアット/アルファロメオ松濤は、2014年3月にオープン。元々はホンダのディーラーがあった場所に建てられた店舗で、フィアットとアルファロメオの新車・中古車の販売、整備を行っているほか、店内にはフィアットカフェも併設。さらにヨガ、フラメンコ、トークショー、ジャズライブなど、普通のディーラーではあまり行われないイベントを定期的に開催しています。なぜこのような珍しいイベントを行うのか、その理由を代表取締役社長の湯本拓治さんに聞いてみました。
まず湯本さんによると、渋谷区では輸入車の割合が高いもののドイツ車が圧倒的に多く、イタリア車のシェアは少ないといいます。ただ輸入車への関心度が高い「ポテンシャルのある土地」ということで、かねてからこの松濤での出店を考えていたそうです。
そして出店にあたっては地域の人に気兼ねなく訪れてもらうため、オープン当初からカフェを併設。そしてより多くの人に来店してもらえるよう、定期的にイベントを開催しているといいます。しかしなぜ、そのイベントがヨガやフラメンコなのでしょうか。
それはフィアットの購入層に30~40代の女性が多いためで、また同店の調査によると、イタリア車に乗る人は性能ではなく人生をいかに楽しむか、またその車を持つことで人生を充実させたい、と考えている人が多いといいます。そうしたイタリア車好きの嗜好に合わせ、ヨガやフラメンコが開催されているわけです。