後に与えた影響がすごい? 歴史的に分岐点になった日本車3選

高額なスポーツカーはここから始まった?

●ホンダ初代「NSX」

高額な国産車としての先駆け的存在だった初代「NSX」
高額な国産車としての先駆け的存在だった初代「NSX」

 前述のZ32型 フェアレディZやR32型 スカイラインGT-Rと同世代ながら、異なるアプローチで開発された高性能車がホンダ初代「NSX」です。

 1990年に発売された初代NSXは、空気を切り裂くようなシャープなウェッジシェイプの外観で、まさに和製スーパーカーというべきフォルムを採用。

 さらに世界初のオールアルミ製モノコックシャシとボディ外板によって、高いシャシ剛性を確保しながら軽量化を両立しました。

 エンジンは最高出力280馬力(MT)を発揮する新開発の3リッターV型6気筒DOHC VTECエンジンをリアミッドシップに搭載。トランスミッションは5速MTに加えて4速ATを設定することで、スーパーカーながらイージードライブを可能とする、それまでにないコンセプトでした。

 足まわりはドイツのニュルブルクリンクで鍛えられた4輪ダブルウイッシュボーンを採用し、軽量な車体と相まって、ホンダのフラッグシップスポーツカーにふさわしい、優れた旋回性能を発揮。

 一方、価格は800万3000円(MT車、東京価格、消費税含まず)と、当時の国産車のなかでも非常に高価でした。

 これはNSX専用に工場を建設したことや、ボディにアルミをふんだんに使ったこと、チタンコンロッドやメッキシリンダーなどエンジンの製造コストも高騰したことが要因で、R32型 スカイラインGT-Rが445万円、トヨタ初代「セルシオ」のトップグレードが620万円だったのに比べても、かなり高額だったといえるでしょう。

 それでも、初代NSXは発売と同時に3年分のバックオーダーをかかえたといいますから、バブル景気のすごさがわかります。

 その後、初代NSXは1000万円オーバーとなり、近年はさらに高額な日本車も珍しくありませんが、日本車の高額化はNSXから始まったということです。

※ ※ ※

 初代NSXが800万円代、R32型 スカイラインGT-Rが400万円代というのは、現在の水準から考えると安い印象があります。

 しかし、同世代の「シビック SiR II」が162万円でしたから、庶民にとって両車は当時としてはかなり高額なモデルと感じられました。

 一方、1989年当時のBMW「E30型 M3」が758万円だったことを考えると、かつてはいかに輸入車が高額だったことがうかがえるのではないでしょうか。

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2件のコメント

  1. ×最大のトピックス
    ○最大のトピック

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