トヨタ新型「クラウンヴェルファイア」大反響! クラウン名なぜ中国で急拡大? トヨタは高級ブランド化を狙うのか
「クラウン」の名前を使ったのは、クラウン存続のため?
次期クラウンのクロスオーバー化という話題は、そうした流れから登場したものと考えられます。
そのうえで、今回のクラウンクルーガーやクラウンヴェルファイアについて、改めて考察を加えると、トヨタは「クラウン」を単なるモデルの名称としてではなく、トヨタにおける高級車を表すサブブランドとして育てたいという狙いを感じます。
ちょうど、「GR」がトヨタのスポーツモデルを表すサブブランドとなっているように、「クラウン」はトヨタの高級車(上級仕様車)を表すサブブランドとなっていくのではないでしょうか。

数年内に登場すると予想される次期クラウンが、もし仮に中国市場を意識したグローバルモデルへと生まれ変わるのであれば、中国市場における「クラウンブランド」の中核的モデルとして大々的に登場することは間違いないでしょう。
ブランドというのは一朝一夕に育つものでなく、確固たる戦略のうえで、莫大な時間をかけて育まれるものです。
つまり、トヨタは「クラウンブランド」を軽視しているために中国市場でクラウンの名を用いたのではなく、「クラウン」の名前を存続させるための方策だったのだと筆者は考えています。
そういった意味で、今回登場したふたつの「クラウン」は、将来の「クラウンブランド」戦略における重要な試金石といえるかもしれません。
※ ※ ※
クラウンの歴代モデルのなかには、中国で販売されていたものも存在します。
しかし、基本的には日本向けのクルマを、中国市場でも販売していたというものであり、比較的セダン人気の高い中国でも、それほど多くは売れなかったようです。
しかし、もし筆者の狙い通り、次期クラウンがグローバルモデルとなるなら、中国をはじめとする各市場のニーズを徹底的に汲み取ってくることでしょう。
トヨタの「お家芸」によって、クラウンが世界各地で愛されるクルマへと生まれ変わるのかどうか、楽しみで仕方ありません。
Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明
自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。




































































