ホンダ全長4m以下の小型SUVは登場しない? 新型「ヴェゼル」好調も ライズサイズを望む声あり

トヨタ「ライズ」の対抗馬! 全長4m以下の「WR-V」はなぜ日本に来ない?

 基本的にどの自動車メーカーも国や地域によって専用車や現地仕様をラインナップしています。

 デザインやパワートレイン、足回りなど需要毎に変えて展開していますが、前述の南米やアジア向けのWR-Vは、全長4m以下となり日本市場ではトヨタ「ライズ」の対抗馬といえます。

 WR-Vは、南米の市場ニーズに基づき2017年に発売されたモデルで、「ジャズ(3代目フィット)」をベースとしています。

 エクステリアは、フロントマスクを大幅に変更し、フェンダー周りやルーフ、バンパーをSUVテイストに仕上げ、さらに最低地上高も上げています。

 ボディサイズは全長4000mm×全幅1734mm×全高1599mmとライズと近いパッケージです。

 パワートレインは、1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載。燃料はブラジルならではのガソリン(115馬力)とエタノール(116馬力)のどちらにも対応した「フレキシブル・フューエル・ビークル」となっており、トランスミッションはCVTを設定しています。

日本市場で爆発的に人気を誇るトヨタ「ライズ」
日本市場で爆発的に人気を誇るトヨタ「ライズ」

 一方のライズは、2019年11月にダイハツ「ロッキー」のOEM車としてトヨタから発売された後、2020年には登録車2位の年間12万6038台を記録して、瞬く間にSUVジャンルNo.1となりました。

 前年となる2019年では登録車14位に先代ヴェゼルが5万5886台となって、その年のSUV王者となっています。

 前出のホンダ販売店以外の販売店でも、WR-Vなどの小さなSUVの日本導入を望む声が出ています。

 首都圏のホンダ販売店では次のように話しています。

「昨今のSUVブームもあり、先代ヴェゼルは好調を維持しておりました。また、2代目ヴェゼルも先行受注の段階から多くの予約を受けており、元祖王者を思い起こしています。

 しかし、ホンダではヴェゼルとCR-Vの2種類しか存在せず、他社のようにSUVにおける細かなニーズに対応出来ません。

 ニュースなどで、ホンダの海外SUVが取り上げられるとそのモデルに関して問い合わせがあり、なかでもWR-Vはライズ同等のサイズということもあり、お客さまの関心は高いようです」

 近年のホンダでは、北米など海外で先行投入後、1年から3年してから日本市場に投入される傾向です。

 WR-Vは、2017年に南米市場などに投入されましたことから、2000年頃に投入される可能性もあり得ました。実際にWR-Vの日本投入について、ホンダの関係者は次のように説明しています。

 
「海外専用モデルを日本に持ってくるのにはさまざまな課題をクリアしなければならず、なかなか難しいのが現状です。

 また、ヴェゼルの下というポジションには、『フィットクロスター』でカバー出来る部分でもあるので、WR-VやBR-Vの日本導入はありません」

※ ※ ※

 残念ながらWR-Vは日本へに導入することはないようですが、少なからずボディサイズの小さなSUVには需要が存在します。

 そうしたなかで、ホンダではアジア向けに小さなSUV「ZR-V」の商標登録をおこなっているという話もあるため、今後の日本市場の動向次第ではヴェゼルよりも小さなSUVが登場する可能性も否めないようです。

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