救急車は1000万円超の高級車!? 「船みたいで酔いそう…」乗り心地がイマイチな訳とは

病気や怪我で一刻を争うときに駆けつけてくれる救急車ですが、車内はどうなっているのでしょうか。そこでナゾ多きクルマである救急車の秘密を探ってみました。

乗ったことがない人には未知のクルマ? 救急車の車内はどうなってる?

 急な体調悪化や病気、怪我などで一刻も早く医療機関へ向かうとき、救急車が駆けつけてくれます。

 普段乗ることが少ない救急車ですが、どのような装備が搭載され、車内のレイアウトはどうなっているのでしょうか。

急病やケガのときに駆け付けてくれる救急車
急病やケガのときに駆け付けてくれる救急車

 救急車とひとことでいっても、実は所轄省庁によって微妙に違いがあります。街で見かける確率が高いのは総務省消防庁の管轄車両で、地方自治体が所有する救急車です。

 病院など医療機関が所有する車両は厚生労働省の管轄、自衛隊独自の専用救急車両は防衛省の管轄となります。

 空港にも専属車両が配備されていたり、大型商業施設などが設置を義務付けられた自衛消防組織所有の車両や、最近では民間の救急搬送会社所有のものもあります。ちなみに、救急車の正式名称は「救急自動車」といいます。

 管轄によって多少装備の違いはありますが、原則として消防法による規定が存在。使用される車両は乗車定員7名以上、排気量2.5リッター以上、4WDのAT車で、AM/FMラジオやエアコンだけでなくABSやエアバッグなども装備した車両がベースとなります。

 そして、電装品や医療機材の詳細な取り付け図などを提出し、消防局の認可を得たクルマが救急車として稼働できるのです。

 さらに密閉式構造の貨物車(バンタイプ)で、「傷病者室(患者室)」ではストレッチャーなどの機材を搭載しても頭部側の応急処置ができる空間があること、補助ミラーの設置やステップ類に滑り止め処置を施すこと、助手席と傷病者室にも無線機の設置などが義務付けられ、現在ではカーナビゲーションの搭載もマストになっています。

 ほかにも細かな規定に沿ったさまざまな架装(専用のカスタマイズ)が必要になっており、トヨタ「ハイエース」のスーパーロングボディをベースとした「トヨタ救急車(標準車・ハイメディック)」、日産「NV350キャラバン」をベースにした「パラメディック」があります。
 トヨタ救急車は、標準モデル(乗車定員9名)とハイメディック(乗車定員8名の高規格準拠モデル)があり、後方に設置されたカメラの映像をルームミラーに表示する「デジタルインナーミラー」を装備。

 VSC(横滑り防止装置)やTRC(トラクションコントロール)だけでなく衝突回避支援システム「トヨタセーフティセンス」も標準装備となっています。

 一方で、日産のパラメディック(高規格準拠モデル)は乗車定員が8名、電動ストレッチャーが搭載可能で、通路幅を400mm以上確保するなどレイアウトも工夫されており、日産の「アラウンドビューモニター」も搭載しています。

 また日産では、日本未発売の大型バン「NV400」をベースにした日本初のEV救急車も開発されており、そのうちEVの救急車が一般的になる日も遠くないかもしれません。

 ちなみに両メーカーともベース車にはない、右側もスライドドアを装備した両方スライドドア仕様となっているのも特徴のひとつです。

 気になる価格は、トヨタ救急車が564万5000円から595万3000円(4WD)、ハイメディックが1159万円から1189万円、日産のパラメディックは1456万9200円です。

 装備内容を考えれば安くは製造できないのでしょうが、意外に高級車だといえます。

【画像】8000万円のEV救急車も存在!? 救急車の内部はどうなってる?(13枚)

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