軽量なボディは正義! 軽さが武器の車5選
ストイックな方法と技術的なアプローチ。異なる手法で軽量化を成功させた2台とは?
●ケータハム「セブン 160」
前出のロータスが生んだ名作といえば「セブン」です。レースに出る傍らで、市販車の製造もおこなっていたロータスは、1957年にユーザーが自分で組み立てるキットカーとしてセブンを発表。
セブンは当時としても古典的なデザインで、さしずめFR時代のフォミュラーカーといったところです。
このセブンは安価で高性能なことから大ヒットして、1973年に登場した「シリーズ4」まで生産が続きましたが、セブンの製造権をケータハムに売却。
そしてケータハムによって新たに作られた「シリーズ3」セブンの進化系が、現在のケータハム「セブン」です。
ケータハムは独自の技術によってセブンの改良を続け、ロータス時代とは比べ物にならないほどのパワーのあるエンジンを搭載し、もはやレーシングカーに近い性能まで上り詰めました。
しかし、もともとロータス セブンは優れたシャシにフォードなどのローパワーなOHVエンジンを搭載した、安価なスポーツカーだったことからヒットしたモデルでした。
そこでケータハムは2014年に、エントリーグレードとしてスズキ製の660cc直列3気筒エンジンを搭載した「セブン160」を発売。日本で軽自動車登録できるセブンとして、大いに話題となりました。
最高出力は軽自動車の自主規制とは無縁だったことから80馬力を発揮し、トレッドが狭められてタイヤは155/65R14を装着。
そして、ヒーターすら装備せずに車重はわずか490kgに抑えられ、まさに初期のロータス セブンを彷彿とさせるモデルとなっています。
現在、すでにセブン160の生産は終了しており、次世代のモデルが登場するかは未定です。
●スズキ「スイフトスポーツ」
最後に紹介するのは現行モデルのスズキ「スイフトスポーツ」で、国内メーカーのなかでも軽量化技術に定評があるスズキによる渾身の作といえます。
2017年に発売された現行モデルの4代目は、シリーズ初のターボエンジンを搭載。プレミアムガソリン仕様の1.4リッター直列4気筒ターボエンジンは最高出力140馬力を誇り、トランスミッションは6速ATと、クロスレシオの6速MTを設定しています。
また、ボディは通常のスイフトに比べ30mmワイド化されたトレッドの影響でフェンダーが20mm拡幅したことにより、やはりシリーズ初の3ナンバー登録となります。
ターボ化による補機類が増えたことやボディが大型化しながらも、新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」や軽量衝撃吸収ボディ「TECT(テクト)」の採用に加え、内装部品やシートに至る細部まで最適化した結果、3代目から70kgもの大幅な軽量化を実現。
車重は十分な快適装備や先進安全技術を搭載されたうえで、わずか970kg(MT)です。
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今回、紹介した5車種のなかで、エリーゼとセブンはかなり特殊なモデルで、スターレットとバラードスポーツCR-Xは昭和の時代のクルマですから、軽いことはそれほど驚きではありません。
そうなるとスイフトスポーツの軽さは驚異的ともいえます。ほかのスズキ車ではスタンダードなスイフトの「XG」グレードが860kg、「アルト」の最軽量車はなんと610kgです。
スイフトはもはや他社の軽自動車並で、アルトに至っては20年前のアルトと同等ですから、装備を考えるといかにスズキの軽量化技術がすごいかがわかります。
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