1700万円で販売中! AMGのワイドボディはバブル期最強の1台

バブル当時、フェラーリと同等かそれ以上の近寄りがたいオーラを放っていたAMG。30年以上の時を経たいま、AMGジャパンでワイドボディ化された個体に価値はあるのだろうか。

高級車が日本から流出するには訳がある

 海外マーケットでは、「日本で販売され、日本で使用されていたクルマは程度がいい」といわれている。それはなぜか。

 ポイントはいくつかある。たとえば、走行距離。多くの場合、ヨーロッパやアメリカで使われていたクルマと比較すると、日本で走っていたクルマは年式のわりに走行距離が少ない。日本では1年間で1万km走っているというのが、中古車を見るときの基準となっている。つまり、新車登録から10年経ったクルマは、10万kmが目安となっているわけだ。

 ところが、ヨーロッパやアメリカでは、1年間で数万km走行するのは普通の使い方である。10年落ちなら20万km、30万km走っているクルマは普通である。

●1986 メルセデス・ベンツ「500 SEC 6.0 AMG ワイドボディ」

バブル期の日本にデリバリーされ、海外へと流出したAMG(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
バブル期の日本にデリバリーされ、海外へと流出したAMG(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 クルマは、走行距離が増えると、サスペンションやブレーキといったパーツが消耗してしまう。こうした交換できるパーツに関しては定期的にメンテナンスをおこなうことは可能だ。

 しかし、クルマでもっとも重要なボディがヤレてしまい剛性が落ちてしまうことに関しては対処のしようがない。もちろん、外せるパーツをすべて外したホワイトボディ状態にして、スポット溶接を増し打ちするなどすれば、ボディを蘇らせることもできなくはない。しかし、そこまで手を掛けお金を掛ける人は、ごくごくわずかである。

 また、日常の使い方も日本のほうが丁寧だ。ヨーロッパの大都市では、駐車に際して車間を詰めて停めるため、クルマを出す際にはバンパーで前後のクルマを押して隙間をつくって発進するという話を聞いたことがある人もいるだろう。

 現代ではこのような光景はほぼ見られなくなったが、今から20年ほど前に訪れたミラノで、路駐しているクルマが前後のクルマにバンパーをぶつけて押している光景を見たことがある。

 日常的にこのようにクルマが使われていれば、外装などクルマの状態は悪くなる一方だ。

 また、日本では月に一度はワックス掛けを欠かさないという人も珍しくなく、さらに車検制度も相まって、メンテナンスがいき届いている個体が多いようだ。

 こうしたことから、海外マーケットでは日本で使われていたクルマの評価が高くなっているのだ。それは海外の有名オークションに日本市場にデリバリーされたクルマが、数多く出品されていることからも容易に想像できる。

 今回、RMサザビーズオークションに登場したメルセデス・ベンツ「500SEC 6.0 AMG」は、日本からアメリカ・フィラデルフィアに送られたものである。

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