なぜ車のACCは時速180kmまでセット可能? 制限速度を上回る速度に設定できる理由
現在では多くのクルマに搭載されるようになったACC(アダプティブクルーズコントロール)ですが、車種によっては時速180kmまで設定可能となっています。日本の高速道路の制限速度を大きく超えた速度まで対応しているのはなぜなのでしょうか。
ACCで180km/hまで設定できるって本当?
いまでは多くのクルマに搭載されているACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)は、定速走行・車間距離制御装置の略で、レーダーなどで前方を監視し、設定したスピードをキープしたり、先行車がいた場合には一定の距離を保つ装置です。
自動車メーカーによって名称は異なりますが、近年、多くのクルマに採用されるようになりました。
ACCは運転時のストレスを減らすだけでなく、追突事故の防止にもなる便利な機能ですが、設定速度を180km/hまでセットできるクルマもあります。
高速道路の制限速度を大きく超えて設定できるのはなぜなのでしょうか。
ACCの速度を180km/hまで設定できる車種としてマツダ「CX-8」があります。マツダでは「MRCC(マツダレーダークルーズコントロール)」と呼んでいますが、販売店は次のようにいいます。
「CX-8以外のモデルでも年次改良の機会に作動領域について『0km/hから高速領域」までとしているので、速度リミッターが効く180km/hまで出せるクルマであればMRCCを設定することが可能です。
従来、MRCCの作動範囲は115km/hまでとしていましたが、新東名のように制限速度が120km/hまで引き上げられた高速道路が出てきたことからそれに対応したものと思います」
そのほかのメーカーではどうなのでしょうか。
トヨタの販売店に聞いてみたところ、「トヨタでは2017年7月にデビューした『カムリ』からACC(トヨタでは「レーダークルーズコントロール」)の作動領域を180km/hにしています。
新東名などでの最高速度アップに合わせたものと聞いていますが、輸入車については従来から速度規制はなかったので、むしろ国際標準になったといえるのではないでしょうか」
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もちろん、ACCが180km/hまで対応しているということと、実際に180km/hまで出していいかということはまったく別の問題です。
その理屈でいえば、そもそも自動車メーカーが180km/hも出せるようなクルマを作って販売していること自体が問題だということになってしまいます。
日本ではACCもリミッターも120km/hくらいを上限にすればいいのです。それを法律化すると高速安定性自慢の某輸入車の存在価値が弱まるからでしょう。