「ドアミラーをたたむ」は日本独自のマナー!? 狭い駐車場やドアロック連動が後押しに?

駐車時にクルマのドアミラーをたたむことが定着しつつありますが、これはマナーでしょうか。日本ならではの環境や、電動格納式、ドアロック連動式ドアミラーの普及などとともに考えます。

なぜドアミラーをたたむのか?

「マナー」とは、ルールとして厳格化されたものではなく、人間関係や社会生活を円満・円滑に営むための作法といってよいでしょう。その内容は普遍的なものもあれば、時代とともに変わるものもあり、なかには地域ごとに異なるものもあります。

 かつてはなかったものの、今では“マナー”として定着しつつある行為のひとつが、駐車場でドアミラーをたたむことではないでしょうか。

駐車場ではドアミラーをたたむべき?
駐車場ではドアミラーをたたむべき?

 昨今、自宅外の駐車場で多くのクルマがドアミラーをたたんでいる光景は珍しいものではありません。しかし「これは必ずするべきなのか?」と感じたことがある人もいることでしょう。

 たたむべき状況はまず、クルマの横を通るのがギリギリというほど狭い駐車場でしょう。これは誰かのことを思いやってというよりは、自分が楽に歩けるようにと考えればわかりやすいです。

 そのため狭い駐車場では、通路を広くして自分が楽をするために、ドアミラーをたたむのが正解といえます。

 しかし、広い駐車場までたたむべきかといえば、そうではありません。たたんでもたたまなくても大きな影響がなければ、必ずしもその必要はないでしょう。

 ところで、ボタンを押すだけでたためる電動格納式ドアミラーを初めて設定した国産車はC32型の日産「ローレル」で、1984年のことでした。その後多くのクルマに波及し、今では軽自動車にも採用が広がっています。

 さらに昨今は、ドアロックに応じて自動でドアミラーをたたむクルマも増えました。そういった親切装備の普及と、周りにあわせることを得意とする日本人の感覚とリンクし、ドアミラーをたたむ文化がマナー的に普及したようです。

 駐車時にドアミラーを倒すことを周囲への配慮と考えている人も多いようですが、あくまでも「好意による配慮」なので、たたんでいないクルマがあるからといって腹を立てるのは筋違いです。

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