クルマのシートアレンジ必要? 姿消した回転座席 背もたれ可倒式だけではもの足りない?
クルマのシートアレンジは、時代とともに変化を続けています。セダンの可倒式リアシートが爆発的に広まった一方で、普及しなかったり消えていったりしたシートアレンジも存在。明暗が分かれるポイントはなんでしょうか。
勢力分布が大きく変わったシートアレンジ
皆さんはクルマを購入する際、シートアレンジをどのくらい重視するでしょうか。
実は、21世紀に入ってシートアレンジの勢力分布は大きく変わりました。大きく普及したシートアレンジがある一方で、消えていったシートアレンジも存在するのです。
爆発的に広まったのが、セダンの可倒式リアシートです。背もたれがバタンと前に倒れ、室内と荷室が貫通。セダンでも長尺物が積めるのが実用上のメリットです。
20年以上前は、このアレンジを備えたセダンは少数派でした。しかし今では、多くのセダンにこの機構が組み込まれて定番化しています。
もうひとつ、これは日本限定ですが採用車種が大きく増えたシートアレンジがあります。ミニバンの2列目の超ロングスライド機能です。「リムジン状態」とも呼ばれるこのアレンジの特徴は、ミニバンながら3列目を畳んだ2列車として使うことを前提としていること。2列目を思い切り後方へスライドすることで、その足元を広くし、空間を贅沢に使ってゆったりと座れるのがメリットです。
このアレンジが最初に用意されたのは、2006年にデビューしたトヨタの3代目「エスティマ」でした。その後マツダの「ビアンテ」、トヨタ「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」、ホンダ「オデッセイ」などが採用。ミニバンの特徴である3列目に人が座らない前提のアレンジで、逆転の発想といえるでしょう。
実際に2列までの使用が多いユーザーにとっては使用頻度が高く、メリットを実感できるアレンジといえます。
一方、減ったものの代表といえば、3列シート車の回転シートでしょう。かつてミニバンやワンボックスなど3列シート車の2列目は、新幹線のように回転して前後の向きが変わるシートを組み込むことが半ば常識化していました。しかし現在、その機能を搭載している新車はほぼ見かけません(メルセデス・ベンツ「Vクラス」などシートをいったん取り外して逆向きに装着できる車両は存在)。
採用されなくなった背景には安全基準の強化などの影響もありますが、「実際にはほぼ使わない」といったニーズや「回転させるためにはシートのサイズが小さくなってしまう」といった負の事情が反映されたといわれています。
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