いまプジョー/ルノー/シトロエンが絶好調! フランスブランドに人気が集まる理由とは
ルノーはモデル末期の「カングー」が販売台数を後押しした
では、ルノーはどうであろうか。
こちらも2020年秋に新型「ルーテシア」、2021年2月にSUVの新型「キャプチャー」を投入している。

「ルーテシアとキャプチャーの2モデルは、確かに新型車ならではのインパクトがありました。ただ、日本市場向けに潤沢な数が用意できたわけではありません」とはルノー・ジャポンの広報担当者のコメントだ。
数多くの注文はあったけれど、それが新車登録台数に反映できずに、多くがバックオーダーになってしまったというのだ。
さらに新型2モデルの導入は、ルーテシアは2020年10月、キャプチャーは2021年2月と年度の後半だった。ニューモデルの投入はあったけれど、年間の販売台数への貢献は、それほど大きくなかったようだ。
では、何がルノーの2020年の販売を支えたのか。
それは意外な答えだった。「カングーが、よく売れました」とルノー・ジャポンの広報担当者は語る。しかも「コロナがなければ、もっと数多く売れていたはずです。2020年は夏にフランスの工場が停止していたので、注文された数ほど新車登録できませんでした。カングーもバックオーダーを抱えています」ともいう。
ちなみにカングーはルノーの人気モデルだが、現行モデルが登場したのは10年以上も前の2009年のこと。モデル末期もよいところで、フランス本国では次世代モデルも発表されている。
普通、新型モデルの登場が予告されると、現行モデルの販売は悪くなるものだ。しかしカングーは、それが反対になるようなのだ。
「どうも、新型が出ることで、現行モデルが買えるのは今しかないと、販売が伸びているようです。じつは初代モデルから、現行型の2代目モデルに変わるときも同じことがありました」とルノー・ジャポン広報氏。また、最近のキャンプ人気の高まりも、カングーの人気を後押ししているかもしれない。さらに、数多く用意されたカングーの限定車も貢献しているといえるだろう。

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PSAは魅力ある新型車が投入されたのが好調さの理由であったが、ルノーは新型車の「情報」だけで販売が伸びたというから驚くばかりだ。
情報だけでなく、本当の新型モデルが投入されれば、さらにルノーの販売も上向きになるはず。2021年もフランスブランドは期待できるのではないだろうか。
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Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。





































