機能や見た目を重視? デザインにこだわった昭和の車3選
国産車の動力性能向上が加速したのは1980年代ですが、同時にデザインにもさまざまなアプローチが試された時期でもあります。そこで、昭和の時代に誕生した外観のデザインにこだわったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
きちんとしたコンセプトをもってデザインされたクルマを振り返る
日産は1979年に、国産車で初のターボエンジンを搭載した「セドリック/グロリア」を発売。それ以降、1980年代はターボエンジンやDOHCの普及によって、国産車の動力性能向上が一気に加速しました。
さらに外観デザインについても、それまでとは異なるアプローチが試された時代でもあります。
クルマの外観デザインは販売台数に大きく影響する重要な要素ですが、明確なコンセプトのもとに採用されたデザインのモデルも存在。
そこで、昭和の時代に誕生したデザインにこだわったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●ダイハツ「リーザ」
1980年代に販売していたダイハツの軽自動車というと、実用性を重視した「ミラ」が主力商品でした。
そんななか、1986年にデビューした「リーザ」は、実用性よりも外観デザインにこだわったモデルとしてしられています。
リーザの外観は全高を低くしたクーペスタイルの3ドアハッチバックで、リアシートの居住性や荷物の積載性よりもデザインが優先されたスタイリッシュなモデルです。
若い女性ユーザーをターゲットに開発されたリーザのコンセプトは、「プライベート感覚」や「ファッション感覚」といった感性を重視。実際に女性ユーザーを中心に高い支持を得ました。
搭載されたエンジンは最高出力50馬力を発揮する550cc直列3気筒ターボと、32馬力の自然吸気が設定され、トランスミッションは2速AT(後に3速ATに換装)、4速MT、5速MTを設定。
1991年には派生車のオープン2シーターモデル「リーザスパイダー」が登場し、大いに話題となりました。
リーザは一定のニーズがあったものの、シャシが旧規格のままだったことから1993年に生産を終了。1992年に実質的な後継車として「オプティ」が発売されました。
●スバル「アルシオーネ」
スバル初の本格的なスペシャリティカーとして1985年に誕生した「アルシオーネ」は、とにかく空力特性の向上にこだわったモデルです。
アルシオーネはグローバルで通用する、スタイリッシュな2ドアクーペとして開発されました。
外観は直線基調のシャープなウェッジシェイプのフォルムで、スバルのクルマとしては最初で最後となるリトラクタブルヘッドライトを採用。
実際に空気抵抗を極限まで抑えるためにリトラクタブルヘッドライトが必要であり、ほかにもフラッシュサーフェイス化されたドアノブや、空気の乱流を抑えたドアミラー形状、後端をわずかに跳ね上げたトランクリッドなど、さまざまな箇所に空力性能向上の施策が図られています。
その結果、空気抵抗係数であるCd値は0.29と、日本車で初めて0.3を下回る数値を達成しました。
それまでのスバル車とは一線を画するデザインは外観だけでなく内装にもおよび、メーターパネルの周辺やハンドル、シフトノブなど、飛行機のコクピットをイメージしています。
エンジンは当初1.8リッター水平対向4気筒ターボのみでしたが、後に2.7リッター水平対向6気筒自然吸気エンジン車「アルシオーネ2.7VX」を追加ラインナップ。駆動方式はFFとAWDが設定されました。
またトップグレードには、乗車人数に関わらず車高を一定の高さに自動調整するエアサスペンションが採用されるなど、技術的にも意欲作といえます。
そして1991年に後継車である「アルシオーネSVX」にバトンタッチされ、アルシオーネは生産を終えました。
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