新型「ミライ」のオーナーが羨む!? トヨタの手放し運転「アドバンストドライブ」は“買い”なのか?

煮詰め不足ながらアドバンストドライブ最大の特徴に期待

 アドバンストドライブ付きのミライを試乗と行きましょう。

 首都高9号線の走行車線でハンズフリーをセットして巡航を始めた、と思って欲しい。目的地は浦安のディズニーランド。湾岸線に出たら左方向へ進むことになる。

 すると辰巳ジャンクションの1.5kmくらい手前でミライは追い越し車線に進路変更。ハンズフリーの走行速度はメーター読みで制限速度+15km/hまでとなり、ここは60km/h制限のため75km/hしか出ない。

メーターが青く光っているとハンズオフが可能になる(画像はレクサス LS)
メーターが青く光っているとハンズオフが可能になる(画像はレクサス LS)

 一方、現実的な流れの速度は100km/hくらい(道路事情も100km/hで安全)。走行車線なら75km/hで容認されるが、ワザワザ追い越し車線に出ていって75km/hでタラタラ走ったら後続車にケンカ売ってるようなもの。

 なぜ走行車線をキープしないのか不思議。この時点で「煮詰め不足かもしれませんね」と思った次第。

 日本の場合、制限速度と流れの速度が乖離している場所も多く、とくにジャンクションなどは40km/h制限です。

 日産「スカイライン」のハイブリッド車に搭載する「プロパイロット2.0」もジャンクションでは使いモノにならない。

 ただ、今回試乗したアドバンストドライブでは、進路は左方向なのにその手前で追い越し車線へ誘導したのは厳しいと思う。

 湾岸線に入れば80km/h制限のため、メーター読み95km/hまでハンズフリー可能(私は80km/h厳守)。快適に巡航できます。

 続いて車線変更機能を試してみた。後続車との車間がある程度確保できているタイミングでウインカー出す。興味深いことに同じような車間であっても「出来ません」と拒否されることもあった。どうやら安定していないようだ。

 そのほか、ハンズフリー走行中に突如「解除されました」となることが何度か。少しばかり煮詰め不足の雰囲気。

 現状だとスカイラインのプロパイロット2.0や、スバル「レヴォーグ」の「アイサイトX」に届いていない。けれどこの内容で50万円は高いとは思わない。

 なぜかといえば、アドバンストドライブ最大の特徴が「漸次アップデートしていく」ことにある。今回試乗して「アカンな」と思ったような制御を見つけたら修正していくという。

 おそらく最初はたくさんの「アカンな」が出ることだろう。そいつをPCのように自動&無償で書き換えていくのだ。

 半年もすれば今回「あらら」だったようなケースが、何事も無くカバー出来るようになっているかもしれない。

 気付いたらベテランと同じような運転サポート機能に成長しているんじゃなかろうか。長い目で評価したときのトヨタは強い!

 妙な場所で追い越し車線に進路変更したときは「買わなくてよかった」と思ったアドバンストドライブながら、隣に座っている開発担当者から説明を聞くうちに「待てば良かった」と徐々に反省の色が濃くなってきた。

 これから新型ミライを買う人は、ぜひともアドバンストドライブ仕様にすることをすすめておく。ちなみに後付けは出来ません(泣)。

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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1件のコメント

  1. 「プロパイロット2.0」でも同様であるが、
    日本の自動車専用道路の速度制限標記が20km/h刻みで、
    物理運動法則や実際の交通事情を考慮していない上で、
    メーカーもその法規に従わざるを得ないこのような制御を容認したまま世に出すのが問題かと、
    道が切り替わった途端に20km/h分の急加減速する制御じゃ危ないので法整備の条件見直しをと、
    メーカー側が国に自ら提言するでもなく
    あとで制御更新できますからと成熟のまま、
    ユーザー側の世論の後押しに期待しての投げ売りじゃ困るんだよね。

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