トヨタ「カローラ」なぜ前年比77%? 勝負の年度末で台数伸びなかった訳
年度末の決算月である3月の各社は、登録台数を伸ばすために営業活動に力を入れるため、販売台数が伸びる時期です。しかし、トヨタ「カローラ」の前年同月比が100%を下回る77.6%という結果になりました。なぜカローラの台数は伸び悩んだのでしょうか。
期末決算の3月に前年比100%超えなかったカローラ
値引き額が大きくなる年度末となる3月は、クルマの販売店にとっても勝負の月です。
とくに、登録車においては3月末までに登録手続き(ナンバー取得)がおこなえるように営業ラッシュを掛ける時期でもあります。
日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した販売台数ランキングのデータによると、2021年3月の登録車販売台数トップ5は、1位トヨタ「ヤリス」(2万8466台)、2位トヨタ「ルーミー」(1万6504台)、3位トヨタ「アルファード」(1万3986台)4位日産「ノート」(1万6352台)、5位トヨタ「カローラ」(1万2667台)となっています。
販売台数だけを見ると、どの車種も1万台以上の台数を売り上げ、同年1月、2月よりも販売台数が増えました。
しかし、前年同月比の数字を見てみると、1位ヤリス(216.2%)、2位ルーミー(170.1%)、3位アルファード(177.4%)、4位ノート(121.4%)、5位カローラ(77.6%)となっています。
数値からも分かるようにカローラだけは、2020年3月よりも販売台数が伸びていません。
自販連の公表データでは、カローラ(セダン)、カローラツーリング(ワゴン)、カローラスポーツ(ハッチバック)、先代モデルかつビジネス向けとなるカローラアクシオ(セダン)、カローラフィールダー(ワゴン)、教習車などの合算した台で算出されています。
カローラシリーズとして、多様なラインナップを展開しているにもかかわらず、前年同月比で8割を下回っている要因とは、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
トヨタ販売店の担当者は、販売台数が伸びなかった理由を次のように話します。
「カローラシリーズは、前年の同じ月よりも販売台数が伸びなかったのは事実です
ただし、人気がなくなったり、マイナーチェンジなどの改良を控えていたりしているわけではありません。
もしかしたら、2021年の秋頃から発売を予定しているカローラクロスのデビューを待っているため、販売台数が伸びなかったのかもしれません」
また、別の販売店では次のように話しています。
「カローラシリーズは、安定した人気を誇っています。しかし、近年の売れ筋はトヨタでいえばコンパクトカーやSUVです。
また、カローラとツーリングが発売された2019年9月以降にトヨタでは11月にライズ、2020年2月にヤリス、6月にハリアー、8月にヤリスクロス、9月にGRヤリス、12月にミライとさまざまな新型モデルを発売しています。
さらに、RAV4 PHVの追加やタンクと統合したルーミーのマイナーチェンジなど、新たな話題が豊富でした。
そうしたなかで、カローラとツーリングは最近の新車市場では人気が高いとはいえないセダンとステーションワゴンを柱としていることもあり、前述の新型モデルよりは勢いはないともいえます」
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カローラシリーズは、トヨタを代表する車種ブランドですが、近年のSUV人気などによりかつてほどの勢いはないといえるかもしれません。
ただし、合算台数といっても登録車の販売上位にランクインすることは、人気と実力は健在だともいえるようです。
過労ラw
ヤリスやヤリスクロス、ライズの割を食っている可能性はあるでしょう。
個人的には、カローラスポーツやカローラツーリングは、スタイルは好きですが、あまりにも、車高が低いので、乗りにくいのがあるでしょう。
また、国内専用のサイズ展開にしたことで、ユーザーが離れた可能性は否定はできないでしょう。
社有車も、セダンからコンパクトカーに移行するところもあるので、旧来型のカローラセダンよりもヤリスの方が良いという企業も出てきているのでしよう。
まして、コロナウイルスの流行があるので、企業活動が停滞しているから、社有車の購入自体減った可能性もあるでしょう。
カローラという名前も、車種整理で今後聴かれなくなる可能性はあるでしょう。