瞬間ではなく巡航最高速度290キロ! アルピナ「XB7」の秘めた魅力とは

XB7でもこだわった巡航最高速度

 前後のタイヤとホイールは、ついに23インチ径にまで拡大するにいたった。全長5151mm×全幅2000mm×全高1797mm、ホイールベース3105mmというボディサイズを考慮すると、見た目のバランスは悪くない。

4.4リッターV型8気筒ビ・ターボの最高出力と最大トルクは各々621ps、800Nm
4.4リッターV型8気筒ビ・ターボの最高出力と最大トルクは各々621ps、800Nm

 前後サスペンションはエアサスペンションを採用し、高速走行時に車高をさらに40mm低く調節することができるアルピナ仕様のダンパーとキネマティクスの組み合わせとなっている。これが、アルピナ独自のドライビングの楽しさと同時に快適な乗り心地を演出していることは、これまでのアルピナ車の例を知る者には常識であろう。BMW Mモデルにはないしなやかな乗り心地がアルピナの特徴なのである。

 フロントに搭載されるエンジンは、4.4リッターV型8気筒ビ・ターボ(ツインターボ)。最高出力と最大トルクは各々621ps、800Nmという魅力的な数値で、最大トルクはわずかに2000rpmから発揮される。

 ちなみに621psという最高出力はアルピナ史上最高の数字であり、わずか4.2秒で0−100km/h加速を達成する。

 巡航最高速度は290km/h。瞬間的な最高速度ではなく、常に巡航最高速度をスペックシートに記すのも、アルピナ流の性能表記である。

 トランスミッションは、ZF社との共同開発による新世代のアルピナ・スイッチ・トロニック付き8速スポーツオートマチック・トランスミッションが採用された。

 高トルクに対応するために専用設計されているほか、わずか0.1秒でシフトチェンジを実行できるのも大きな特徴だ。駆動方式はフルタイム4WD。まさにシーンを選ばない走りが可能になる。

 アルピナ自身がファーストクラス・キャビンと呼ぶXB7の室内は、確かに快適でクラフトマンシップを感じるスペースだ。乗車定員は6名もしくは7名であるので、3列シートを備えることになる。

 アルピナ独自の上質なラヴァリナ・レザーもオプション設定されるほか、カスタマーの好みに応じたインディビジュアル・プログラムにも、アルピナはほとんど制限を設けてはいない。つまり、いかようにも自分の好みに仕上げることが可能なのである。

 XB7の誕生で、アルピナのSAVシリーズはさらにその選択肢が多彩で魅力的なものになった。BMWを超えるブランドは、やはりこのアルピナ以外にはないというのが正直な印象である。

 ちなみに、XB7の日本仕様は右ハンドルのみとなり、車両価格(消費税込)は2498万円。現在予約注文受付中だ。

【画像】BMWを超えた存在「アルピナ」のフラッグシップとは(22枚)

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