日本で売れば「RVブーム」の再現なる? 海外専用のイケてるクロカン車5選

現在、人気のSUVのなかでも、オンロード性能に特化したクロスオーバーSUVが主流です。一方で、かつては日本でも本格的なクロスカントリー4WDが数多く存在しましたが、現在は激減。しかし、海外ではスタイリッシュなクロカン車が多数生き残っています。そこで、日本では販売されていない海外専用のクロカン車を、5車種ピックアップして紹介します。

海外で販売されている日本のクロカン車を振り返る

 近年、世界的にも人気が高いSUVですが、なかでも都会的なデザインでオンロード走行に特化したクロスオーバーSUVが主流です。

 日本でもコンパクトなモデルからミドルクラスまで、数多くのクロスオーバーSUVがラインナップされています。

日本でも人気となりそうな海外専用のクロカン車たち
日本でも人気となりそうな海外専用のクロカン車たち

 一方で、1990年代初頭の日本では「RVブーム」が起こり、各メーカーから本格的なクロスカントリー4WD車(以下、クロカン車)が販売されていましたが、ブームの終焉とともに激減してしまいました。

 しかし、現在も日本のクロカン車は海外で活躍しており、なかには日本で販売しても人気となりそうなモデルも存在。

 そこで、日本では販売されていない海外専用のクロカン車を、5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「ランドクルーザー70 トゥループキャリア」

ほかにはないユニークなボディが斬新な「ランドクルーザー トゥループキャリア」
ほかにはないユニークなボディが斬新な「ランドクルーザー トゥループキャリア」

 日本を代表するクロカン車であるトヨタ「ランドクルーザー」シリーズは、コンセプトによって「ステーションワゴン」「ライトデューティー」「ヘビーデューティー」の3つに分類されます。

 現行モデルでは、ステーションワゴンが「ランドクルーザー200」、ライトデューティーが「ランドクルーザープラド」、そしてヘビーデューティーが「ランドクルーザー70」です。

 なかでもランドクルーザー70は1984年に誕生し、高い悪路走破性と耐久性が評価され、現在もフルモデルチェンジされないまま改良が続けられ、中東やオーストラリア、アフリカなどで人気の、超ロングセラーモデルとなっています。

 仕向け地によってエンジンや装備が異なる仕様が存在しており、ボディタイプのバリエーションも多く、日本でもワゴン(商用バン登録)とピックアップトラック(ダブルキャブ)が、2014年に期間限定で再販されて話題となりました。

 さらに、とくにユニークなボディタイプとして「トゥループキャリア」が存在します。

 トゥループキャリアとは「兵士を運ぶクルマ」という意味で、ステーションワゴンタイプの2ドアボディにバックドアは観音開きとなっており、スタンダードモデルではリアにバスのような横向きシートが向かい合わせで設置されているのが特徴です。

 また、荷室部分はさまざまなアレンジができ、通常のシートへの換装や、すべて荷室とすることもでき、働くクルマとして世界各地で活躍しています。

 なお、2021年3月31日に、このランドクルーザー70 トゥループキャリアは、世界保健機関(WHO)からワクチン保冷輸送車として、世界で初めて認証を取得しました。

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●日産「テラ」

力強い印象のデザインのボディがクロカン車らしい「テラ」
力強い印象のデザインのボディがクロカン車らしい「テラ」

 日産「テラ」は、2018年から中国をはじめ、フィリピン、インドネシア、タイなど、東南アジアを中心に販売されているSUVで、ピックアップトラック「ナバラ」のラダーフレームをベースに開発されたクロカン車です。

 ステーションワゴンタイプのボディは全長4885mm×全幅1865mm×全高1835mmとランドクルーザープラドと同等のサイズで、フロントフェイスに日産のデザインコンセプトである「Vモーショングリル」が採り入れられています。

 力強さを誇示するフロントフェンダーの造形やドアからリアフェンダーに続くラインによって、本格的なクロカン車らしいタフさと都会的なイメージのデザインを融合。

 室内は3列シートを備えた7人乗りで、実用性の面でも優れています。

 搭載されるエンジンは、最高出力190馬力の2.3リッター直列4気筒ツインターボディーゼルで、クラス最高レベルの加速性能を発揮。組み合わされるトランスミッションは7速ATのみ、駆動方式は2WDと4WDが設定されています。

 また、各種安全装備に加えヒルスタートアシストとヒルディセントコントロールを装備し、悪路走行時におけるコントロール性も良好です。

●三菱「ショーグンスポーツ」

スタイリッシュなフォルムが特徴のクロカン車「ショーグンスポーツ」
スタイリッシュなフォルムが特徴のクロカン車「ショーグンスポーツ」

 前述のRVブームのころ、三菱は「パジェロ」のラダーフレームをベースに、より洗練されたデザインのボディを架装した「チャレンジャー」をラインナップしていました。

 日本では2001年に販売を終えましたが、海外では「パジェロスポーツ」の名で販売が継続されており、現行モデルは2019年にビッグマイナーチェンジされた3代目です。そして、イギリスでは「ショーグンスポーツ」の名で人気を博しています。

 ショーグンスポーツはオフロードでの高い走破性や耐久性、信頼性を備えていながら、スタイリッシュなデザインと快適性を併せ持ったクロカン車です。

 外装はピックアップトラックの「トライトン/L700」のラダーフレームに、ステーションワゴンタイプのボディを架装。フロントフェイスに三菱のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」が採用され、ボディサイズは全長4785mm×全幅1815mm×全高1800mmのミドルサイズです。

 室内は3列シートの7人乗りで、3列目シートを倒すと十分な荷室が確保できます。

 搭載されるエンジンは最高出力181馬力の2.4リッター直列4気筒ターボディーゼルで、組み合わされるトランスミッションはショーグンスポーツでは8速ATのみですが、ほかにも5速AT/6速MT/5速MTを仕向け地やグレードによって設定。

 また、イギリス仕様の特徴として、2シーターの商用モデル「ショーグンスポーツ コマーシャル」をラインナップしています。

 日本では2019年にパジェロが終売となってしまったので、ぜひショーグンスポーツ(パジェロスポーツ)の導入を期待したいところです。

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