本格クロカン車なのに2人乗りのモデルがある? ユニークな2シーター車3選
2人乗りのクルマというとスーパーカーに代表されるスポーツカーでは定番です。また、軽トラックなどの商用モデルでも一般的ではないでしょうか。ところが、そうしたモデルとはちょっと趣が異なる2シーター車も存在。そこで、ユニークな2シーターモデルを3車種ピックアップして紹介します。
おもしろ2シーター車を振り返る
とにかく速く走ることに特化して設計されたスーパーカーやスポーツカーでは、実用性を無視して2人乗りというのが定番です。
さらに、乗員を多く乗せるよりも大量の荷物を運ぶために設計された軽トラックなどの商用車でも、2人乗りのモデルが珍しくありません。
ところが、そうしたモデルとはちょっと趣が異なるアプローチで2シーター化されたモデルも存在。そこで、ユニークな2シーターモデルを3車種ピックアップして紹介します。
●日産「GT-R ピュアエディション For TRACK PACK」
日本が誇るスーパーカーの日産「GT-R」は4シーターの2ドアクーペで、それなりの容量のトランクを有することで、普段使いもこなせる実用性も兼ね備えています。
しかし、GT-Rに実用性を求めず、純粋に走りを楽しみたいユーザーもいるのではないでしょうか。
そんなリクエストに応えたのか、かつてGT-Rには「ピュアエディション」グレードにカスタマイズオプション「For TRACK PACK」が設定されました。
このFor TRACK PACKとはサーキット走行を重視するユーザーのためのオプションメニューで、2012年モデルから選択可能となっており、強化されたサスペンション、前後ブレーキ冷却用エアガイド、レイズ製アルミ鍛造ホイール、カーボン製のエアダクト付きフロントスポイラー、専用フロントシートなどをセットで装着。
さらに実用性は二の次とされ、軽量化のためにリアシートを撤去して2シーター化。リアシート部分はキルティングクロスのマットに代えられています。
For TRACK PACKはすでに廃止されており、現在はサーキット走行を楽しむユーザー向けのグレードとして「GT-R Track edition engineered by NISMO」や、ハードにチューニングされた「GT-R NISMO」が設定されていますが、どちらも4シーターのままです。
同様なモデルはかつて販売されたマツダ「RX-7 スピリットR タイプA」や、現在も販売中のポルシェ「911 GT3」などがあり、やはり走行性能を重視した結果、2シーター化されています。
●ルノー「クリオ ルノースポールV6」
ルノーは1990年にベーシックモデル「5(サンク)」の後継車として、新時代のFFコンパクトカー「クリオ」を発売しました。
日本では登録商標の関係から「ルーテシア」の車名で正規輸入され、現行モデルは2020年秋から販売された5代目です。
クリオはルノーのライナップで主力となるモデルとして開発されましたが、これまでも「R.S.(ルノースポール)」に代表される高性能グレードが設定されています。
そして2001年には2代目クリオをベースに、リアミッドシップに230馬力を発揮する3リッターV型6気筒自然吸気エンジンを搭載した「クリオ ルノースポールV6」が登場しました。
クリオ ルノースポールV6は、もともとワンメイクレース用に開発されたモデルですが、公道を走るための装備を追加されたピュアスポーツカーとしてデビュー。
フロントエンジンのFF車であるクリオに対して、クリオ ルノースポールV6はキャビンの後半部分がエンジンルームとなっており、必然的に2シーター化されています。
外観はクリオのシルエットを残しつつも中身は完全に別物で、大きく張り出した前後フェンダーによって迫力あるフォルムとなっており、もはやベーシックモデルの面影はありません。
トランスミッションは6速MTのみで、0-100km/h加速は6.4秒、最高速度は237km/hというハイパフォーマンスを誇りました。
2003年にはクリオのマイナーチェンジとともにフロントフェイスを一新したフェイズ2が登場。日本にも「ルーテシア ルノースポールV6」として正規輸入され、当時の新車価格は588万円(消費税5%込)でした。
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