超高性能ワゴンの代名詞 アウディ改良新型「RS6アバント」はどう進化? RSモデルの特徴とは

2020年11月にマイナーチェンジしたアウディ新型「RS6 AVANT(RS6アバント)」。600ps・800Nmを発生する4リッターV8ツインターボエンジンを搭載、8速ATを組み合わせたスポーツモデルながら、48Vマイルドハイブリッドやシリンダーオンデマンドなどを採用し効率化も図っている。そんなRS6アバントの魅力に迫る。

アウディ「RSモデル」は超高性能ワゴンボディ+クワトロから始まった

 今回紹介するアウディ「RS6アバント」、先に申し上げておきますとメチャクチャ高くてメチャクチャ速いワゴンです。

アウディ改良新型「RS6アバント」の走り
アウディ改良新型「RS6アバント」の走り

 どのくらい価格が高いかというと、なんと1764万円。郊外ならちょっとしたワンルームマンションが買えそうです。しかも、速い。ちなみにアウディのRSモデルは、メルセデス・ベンツでいえばAMG、BMWでいえばM(最近はMハイパフォーマンスモデルと呼ぶようになった)に匹敵するくらいの超高性能スポーツモデルです。

 AMGやM並みの速さと聞くと、扱いづらかったり使い勝手が悪かったりするんじゃないかと思いますが、これが大違い。じつは、この手の超高性能モデルも最近はどんどん乗り心地が良くなっているんですが、この点についていえばアウディRSモデルはパイオニア的存在。

 私は幸運にも元祖RSモデルである1994年製の「RS2アバント」に試乗したことがありますが、その乗り心地は驚くほどまろやか。この時代の高性能ターボエンジンというと、回転が上がったところで急にパワーがあふれ出す“どっかんターボ”を思い起こす人もいるかもしれませんが、RS2アバントは低回転域でもよく粘って、とても扱いやすいエンジンでした。

1994年に登場したアウディ「RS2アバント」
1994年に登場したアウディ「RS2アバント」

 しかも、RS2アバントは、その名のとおりワゴンボディ。なにが「その名のとおり」かというと、アウディはワゴンのことを伝統的に「アバント」と呼んでいるんですね。スポーティなハッチバックモデルのことを「スポーツバック」と呼ぶのと同じ感覚だと思っていただければいいでしょう。

 いまでこそ、超高性能モデルのワゴン版もちょこちょこ登場していますが、30年近くも昔の当時は超レアな存在。しかも、アウディはRSモデルの第1弾としてワゴンを投入したんです。「セダンも同時発売」とかではなく、アバント一本です。

 荷物がたくさん積めるアバントを記念すべきRSモデルの一作目に選んだところにも、アウディの考え方がよく表れていると思います。

 そしてトドメがクワトロであること。じつは初代RS2アバント以来、すべてのRSモデルがフルタイム4WDのクワトロを採用しているんです。

 それまではオフロード車用の技術と思われていた4WDを初めて「オンロード車の安全性とパフォーマンスを高めるため」に用いたのがアウディだったことは広く知られています。だから超高性能版のRSモデルにもクワトロを採用するのは当然のことですが、おかげでRSモデルは安全で速いだけでなく、雪道もへっちゃらという走破性を手に入れました。これも、RSモデルの特徴といって間違いないでしょう。

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