なぜ人は「緑」を「青」と呼ぶのか 法律で「青信号」も実物が緑信号の理由とは
信号の色は法令上「青」と定められていますが、実際の信号機では「緑色」が採用されています。なぜ、異なった色が採用されているのでしょうか。
なぜ緑色を「青」と呼ぶ?
安全かつ円滑な道路交通に欠かせない存在の信号機の表示色は、一般的に「赤、黄、緑」の3色です。
しかし、法令上では青と定められているのに、なぜ実物や話し言葉では緑色なのでしょうか。
信号の色は、CIE(国際照明委員会)にて「赤、黄、緑、青、白」の5色と定められています。
白と青は航空信号機などに使用されており、交通信号機には遠い距離からでも人間が認識しやすいといわれている「赤・黄・緑」の3色が使われています。
なかでも日本の「青信号」は、海外では共通してグリーンライトやグリーンシグナルと呼ばれている信号機の緑色です。
日本で最初に信号機が設置された1930年当時、日本の法律上でも緑色信号定められていたほか、緑信号と呼ばれていました。
しかし、信号機設置のニュースを扱った新聞記事などが「青信号」と記載したことで「青信号」という言葉が広がったといわれています。
その後、青信号という言葉が定着し、1947年には法令上でも青信号と呼ぶように改正されました。
この緑色を青色と表現するのは、日本で古くから習慣となっています。
日本人は、瑞々しい緑色の野菜や春の鮮やかな新緑、緑の芝生などを“青々としている”と表現してきた民族です。
緑色を青色と表現する日本独特な文化的背景と、光の三原色と同じ、赤、青、緑と呼ぶ方が分かりやすいことから青信号という呼び方が定着していったといわれています。
日本の緑信号の灯火は世界のなかでも青寄りの光源を採用していますが、1971年以降に作られた信号機の色は見分けやすい青に近い色に定められています。
なお、一般的な横型信号機の灯火の色は、左から青・黄・赤と配列します。縦型は上から赤・黄・青と順番が決められています。
横型の場合、もっとも重要な赤信号は道路の端から中央寄りに配置されます。看板や街路樹で信号が隠れてしまっても、ドライバーから見やすい位置に設置することが目的です。
縦型の信号機は、降雪地域などで信号機に積雪しても重要な赤色がしっかり見えるように配慮されています。
信号機の緑色について、警視庁交通課の担当者は以下のように話します。
「1930年に信号機が設置された当初から、赤色、黄色、緑色を使用していました。
当時は法令的にも緑色信号と呼ばれていましたが、日本語の場合、野菜や樹木や青物を表現する青々としているなどと表現する文化と、光の三原則の意味合いもあり、現在では青信号と呼ばれるようになったといわれています。
また、今後信号機が緑から青に変わる可能性について、次のように話します。
「そのような予定はありませんが、最近ではLEDランプでも青色に近いものを見かけるようになってきました。
そのため今後、LED信号機の普及に伴って限りなく青色に近い信号機になっていく可能性はあると思います」
以前に「チコちゃんに叱られる」でやってました。