なぜ「グリル」存在感無いクルマ増えた? EV増加でデザインが変化していく理由
電動化が進むなかで、電気自動車(EV)を自動車メーカー各社が相次いで投入しています。そのなかで、フロント部分にグリルを採用しない(目立たせない)デザインが増えてきました。通称「グリルレス」というトレンドはなぜ世界的に流行りつつあるのでしょうか。
なぜEVはグリルレスが流行っているのか
クルマの第一印象を決める重要な要素として、フロントデザイン(フロントフェイス)が挙げられます。
そのフロントデザインのトレンドが最近変わりつつあるといいますが、どのような影響があるのでしょうか。
一般的なクルマでは、フロント部分にはグリルという開口部が設けられています。
グリルの主な機能として、ラジエーターやエンジンルームに外気を取り込むことで冷却する役割を持っています。
また、前述のようにクルマの第一印象を決めるフロントデザインの大半を占めるといえるグリルも、当然デザイン性を考慮した形状が採用されています。
こうしたことから、グリルは機能性とデザイン性を両立させるためカーデザイナーはデザインの肝として考えていました。
しかし、昨今の電動化の流れにおいて注目される電気自動車(EV)には、エンジンやそれを冷やすためのラジエーターは必要無くなります。
同時にフロントデザインにおいてもあえて開口部となるグリルを配置しなくてもよくなるのです。
そのため、市販EVが相次いで登場する中国市場においては、「グリルレス」というデザインがトレンドとなりつつあります。
また、日本市場でもグリルレスに向けたデザインを取り入れているモデルも存在。
2021年4月に発売されるホンダの新型「ヴェゼル」は、ガソリン車とハイブリッド車を設定していますが、グリル部分を同色にすることで、グリルの存在感を消しています。
EVであれば前述のようにグリルレスの動きがありますが、なぜガソリン車/ハイブリッド車の新型ヴェゼルにおいて、グリルの存在感を消しているのでしょうか。
新型ヴェゼルの開発担当者は次のように説明しています。
「新型ヴェゼルのフロントフェイスは、枠の無い同色のグリルを採用しました。
電気自動車などはグリルレスがトレンドですが、そのままだとシンプルすぎるため主張が少なくなります。
逆に、流行りのメッキ加飾などでギラギラしたものだと主張が強くなりすぎてしまい、新型ヴェゼルではクルマに一体化したものにしたく、色々とスケッチをしたなかで同色グリルになりました。
同色グリルにした理由は、これから電動車が主流になることもあり、新型ヴェゼルはハイブリッド車(e:HEV)が主力となるため、電動車化の入り口的な表現も含めたデザインとして採用しました」
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世界的なEVメーカーとしてテスラが有名ですが、テスラのラインナップでもグリルレス(ロアグリルは存在)のようなデザインを採用しています。
このように電動化が加速するなかで、グリルレスのフロントデザインが世界的なトレンドとなっているようです。
タイヤハウスが大きく見えても、かえってタイヤが小さく見えてデザイン的に間抜けである。全然見てくれが悪い。タイヤだけカッコ悪いと思わないのでしょうか。